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島原の乱とキリシタン

『島原の乱とキリシタン』表紙

  • 著者:五野井 隆史
  • 定価:本体2,600円+税
  • B6判 上製  275ページ
  • ISBN978-4-642-06460-6  C1321
  • 発行:吉川弘文館

本書は、キリシタン研究者として著名な五野井隆史氏の、敗者の視点から島原の乱を、原城址の発掘から明らかにされた資料を駆使して著したもので、「敗者の日本史」シリーズの14巻として書かれています。

 一般には、キリシタン一揆として知られている「島原の乱」は、果たして、キリシタン一揆だったのでしょうか。

 確かに、島原の乱の始まりは、将軍家光の、キリシタン根絶のための、迫害が、酷くなってきた時期に一致しています。その一揆についての知らせは、島原においてキリシタンたちが、城下の町屋などに放火したとの知らせで、それに基づいて「キリシタン一揆」といわれるようになったものです。

 しかし、一揆の引き金になったものは、3年間続いた凶作で、飢饉に襲われていた上に、領主松倉氏による過酷な政策が続いたためにひき起こされた百姓一揆でした。

 確かに、農民の中の多くの者はキリシタンだったかもしれませんし、戦いの中核をなしていたのは、島原、天草のキリシタンたちでした。

 内容の、第1部は「原城址発掘から見えるもの」で、原古城について、と原城址発掘について、著者が歴史研究者としての目をもって、語る大切な部分となっています。

 第2部は「島原におけるキリシタン」、第3部は「天草におけるキリシタン」、第4部が「島原の乱と百姓とキリシタン」となっており、どの部においても、歴史を踏まえた、丁寧でわかりやすい歴史書として書かれています。

 歴史に興味のある方、キリシタン史に関心のある方には必読の書といえるでしょう。

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