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教会カレンダー

A年 四旬節第2主日

第1朗読 創世記 12章1~4a節

第2朗読 テモテへの手紙2 1章8b~10節

福音朗読 マタイによる福音書 17章1~9節

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四旬節第2主日は、イエス・キリストのご変容の記事が読まれます。ご変容の記事は、どの福音書も、イエスの生涯の決定的な時点、つまりイエスの死と復活を予告するすぐ後に位置づけられています。

復活の栄光は、キリストの死と復活を経て与えられました。この視点に立って、イエス・キリストのご変容が生涯に持つ意味を祈っていってはどうでしょうか。

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救いの歴史を回顧していく四旬節第2主日の第1朗読では、「信仰の父」と呼ばれるアブラハムの出来事が読まれます。

キリスト前2000年ごろ、メソポタミアのカルディアの国で、アブラハムは神の声を聴きました。

あなたは生まれ故郷
父の家を離れて
わたしが示す地に行きなさい。

彼はその呼びかけに応え、住みなれた地を出発しました。何の保証もない、神のみ言葉だけに信頼した旅立ちでした。

アブラムは、主の言葉に従って旅立った。

なんと心に響く言葉でしょうか。

このアブラハムの旅立ちによって、多くの人々が祝福されることになったのです。

今日の第1朗読の2~3節の短い箇所に、5回も「祝福」という語が用いられているのに、お気づきになりましたか。

聖書での「祝福」には、恵みとして神から人にくだってくる面と、神への応答として人から神へと返っていく2つの面が含まれています(聖書思想辞典参照)。

救いの歴史は、祝福の歴史ということができます。

祝福の概念は古いものですが、今日読まれた箇所での新しさは、古い伝統的な概念に世界と歴史を意味づける鍵です。

こういう機会に、聖書の言葉の意味を資料の助けを得ながら深めていくとき、聖書を広がりの中で読んでいくことができます。

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第2朗読で読まれるテモテへの手紙2は、パウロの最後の手紙です。
  ローマの獄中で、近い内に死刑になることを予測し、死を目前にして愛する弟子テモテに書いた手紙です。

キリストによる世界の解放を告げる、喜ばしいメッセージです。

キリストは死を滅ぼし、福音を通して不滅の命を現してくださいました。 主キリストのうちに、キリストの死と復活による恵みにゆだねた、使徒パウロの心境が伝わってきませんか。

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四旬節第2主日は、ABC年とも主のご変容の記事が読まれます。

今日の福音では、ペトロが信仰を言い表した後に、イエスは死と復活を予告します。そして、キリストは「わたしについてくる者は」との招きを語り、その後に今日の朗読箇所がきます。

福音の中で、モーセとエリヤがイエスと語り合っています。

モーセは、出エジプトに際して神がリーダーとして選んだ人であり、シナイ山で神との契約を結んだ時に、十戒を受けた人です。

またエリヤは、旧約聖書の最初に出てくる預言者であり、すべての預言者の代表者ととらえられています。

旧約を代表する2人が、出てくるわけです。イエスの輝きで、旧約を代表する偉大な人物も光輝いています。

マタイが記すご変容の記事は、イエスの栄光の姿を強調しています。マタイは、ご変容の出来事を、光の出来事としてとらえているのです。

イエスの受難と十字架上の死を前にして、神の顕現の記事であるご変容をとおして示されるイエスの使命です。

マタイの記述は、いたるところに栄光に輝く「復活の主」との関連づけがあります。イエスは「主」としての栄光の姿をあらわし、それを前にして恐れ、打ちのめされている弟子たちに触れることにより、彼らを死から栄光へと立ち上がらせるのです。

ご変容の記事が、毎年3つの共観福音書によって読まれることを思い、他の福音書(マルコ 9.2~10、ルカ 9.28b~36)と比較して読んでみるとき、共通点と違いから今年(A年)の、マタイの強調点が浮き上がってくるでしょう。試みてみませんか。

祈り

光の源である神よ、
  あなたはすべての人を救いへと招いてくださいます。
  あなたの呼びかけにこたえて集まったわたしたちが、
  十字架の道を歩むキリストに従う決意を
  新たにすることができますように。
   集会祈願より

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第1朗読 創世記 12章1~4a節

主はアブラムに言われた。
「あなたは生まれ故郷
父の家を離れて
わたしが示す地に行きなさい。

わたしはあなたを大いなる国民にし
あなたを祝福し、あなたの名を高める
祝福の源となるように。

あなたを祝福する人をわたしは祝福し
あなたを呪う者をわたしは呪う。地上の氏族はすべて
あなたによって祝福に入る。」

アブラムは、主の言葉に従って旅立った。

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第2朗読 テモテへの手紙2 1章8b~10節

むしろ、神の力に支えられて、
福音のためにわたしと共に苦しみを忍んでください。

神がわたしたちを救い、聖なる招きによって呼び出してくださったのは、
わたしたちの行いによるのではなく、御自身の計画と恵みによるのです。
この恵みは、永遠の昔にキリスト・イエスにおいてわたしたちのために与えられ、

今や、わたしたちの救い主キリスト・イエスの出現によって明らかにされたものです。
キリストは死を滅ぼし、福音を通して不滅の命を現してくださいました。

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福音朗読 マタイによる福音書 17章1~9節

六日の後、イエスは、ペトロ、それにヤコブとその兄弟ヨハネだけを連れて、
高い山に登られた。

イエスの姿が彼らの目の前で変わり、
顔は太陽のように輝き、服は光のように白くなった。

見ると、モーセとエリヤが現れ、イエスと語り合っていた。

ペトロが口をはさんでイエスに言った。
「主よ、わたしたちがここにいるのは、すばらしいことです。
お望みでしたら、わたしがここに仮小屋を三つ建てましょう。
一つはあなたのため、一つはモーセのため、もう一つはエリヤのためです。」

ペトロがこう話しているうちに、光り輝く雲が彼らを覆った。
すると、「これはわたしの愛する子、わたしの心に適う者。これに聞け」
という声が雲の中から聞こえた。

弟子たちはこれを聞いてひれ伏し、非常に恐れた。

イエスは近づき、彼らに手を触れて言われた。
「起きなさい。恐れることはない。」

彼らが顔を上げて見ると、イエスのほかにはだれもいなかった。

一同が山を下りるとき、
イエスは、「人の子が死者の中から復活するまで、
今見たことをだれにも話してはならない」
と弟子たちに命じられた。

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