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教会カレンダー

B年 年間第17主日

第1朗読 列王記下 4章42~44節

第2朗読 エフェソの信徒への手紙 4章1~6節

福音朗読 ヨハネによる福音書 6章1~15節

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B年は、年間主日において、マルコ福音書が読まれますが、この福音書は他の福音書に較べると短いので、今日から5週間、パンの増加に関する記事が、ヨハネ福音書から読まれていきます。

マルコからヨハネへの移行がとても自然に行われ、ヨハネ6章の豊かな記述が5つの主日に渡って読まれるのは、とても意味深いものです。
 そして、22主日から再びマルコ福音書に戻ります。

年間の時期にゆっくりと聖書を読まれることをお勧めします。教皇はいろいろなところで聖書朗読を勧めておられます。“Laudate”でも、『教会の祈り』の「読書課」で読む聖書について紹介しています。みなさまの毎日のプランの中に「聖書を読む」時を入れてみませんか。

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今日の第1朗読は、「列王記下」のエリシャがパンを増加させた話が読まれます。
 列王記上17章からエリヤが登場します。彼は、自分の後継者としてエリシャに、神の山ホレブで油を注ぐようにと、神から命じられます。こうして、エリシャが登場することになります。

エリシャは、エリヤの昇天に立ち会った後、預言者としての活動を開始します。彼は数多い奇跡を行いますが、今日読まれるのもその中の一つです。

初物のパンと穀物は、神へのささげ物です。初物の大麦のパン20個が100人に分け与えられ、なお食べきれずに残ったという出来事は、神から受けた賜物の豊かさを思い起こさせます。

「食べきれずに残す」という表現が2回用いられているのは、神の寛大さ、神のはからいが浮き彫りにされているということでしょうか。

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今日読まれるエフェソの信徒の手紙4章から、この手紙の第2部がはじまります。2部からは、教会が神のご計画と目的の中で、その使命を果たすために、一人ひとりの信徒はどうあったらいいかを描きます。

今日読まれる個所は、パウロが信徒の一致を勧め、この一致を神学的に基礎づけている大切なテキストです。

 キリスト者の特質として、
   高ぶることなく、柔和で、寛容の心を持ちなさい。
   愛をもって互いに忍耐し、
   平和のきずなで結ばれて、
   霊による一致を保つように努めなさい。

パウロは、当時の教会をおそっていた異端と不和に対して、教会の一致を訴えています。一致する根拠をパウロは、キリストの神秘体の教えにおいています。

4~6節は、洗礼の時の信仰告白だったようです。ここに述べられていることこそ、私たちが一致すべき決定的な理由なのです。
 この原理を再び心にとめたいものです。

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ヨハネ福音書に書かれているパンの増加の奇跡は、イエスが5つの大麦のパンと2匹の魚で5千人の人たちを満腹させます。ここで、イニシアティブをとられるのはイエスご自身です。
 ・まず、イエスが「大勢の群衆が御自分の方へ来るのを見て」奇跡を行われます。
 ・イエスが群衆にパンを分け与えられます。
 ・少しも無駄にならないように、残ったパンの屑を集めなさい」とパンの残りを集めるようにお命じになるのもイエスご自身です。

これらを心にとめながら、他の福音と較べながら読んでみるといいでしょう。

今日の福音で、2と14節に「しるしを見る」ことが述べられています。ヨハネにとって「しるし」は、大切な言葉です。「しるし」によって、イエスはご自身を現されます。

ヨハネ福音書において、パンの増加の奇跡は、イエスがいのちの源であること、イエス自身がいのちのパンであることを示しています。このことをヨハネは奇跡の出来事から出発するのです。

ヨハネ福音書を通じて「しるし」の奥の神秘に招かれています。見ているもの、前提概念を越えさせるものこそ神秘です。今こそ私たちの信仰を見つめなおす時なのではないでしょうか。

祈り

救いの源である神よ、
  飢え渇くすべての人に、
  あなたはいつくしみの目を注いでくださいます。
  きょう一つに集まり、救いのことばに耳を傾けるわたしたちが、
  あなたのいのちに満たされる喜びを深く味わうことができますように。
   集会祈願より

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第1朗読 列王記下 4章42~44節

一人の男がバアル・シャリシャから
初物のパン、大麦パン二十個と新しい穀物を袋に入れて
神の人のもとに持って来た。

神の人は、「人々に与えて食べさせなさい」と命じたが、
召し使いは、
「どうしてこれを百人の人々に分け与えることができましょう」と答えた。

エリシャは再び命じた。
「人々に与えて食べさせなさい。
主は言われる。
『彼らは食べきれずに残す。』」

召し使いがそれを配ったところ、
主の言葉のとおり彼らは食べきれずに残した。

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第2朗読 エフェソの信徒への手紙 4章1~6節

主に結ばれて囚人となっているわたしは
あなたがたに勧めます。

神から招かれたのですから、
その招きにふさわしく歩み、
いっさい高ぶることなく、
柔和で、寛容の心を持ちなさい。

愛をもって互いに忍耐し、
和のきずなで結ばれて、
霊による一致を保つように努めなさい。

体は一つ、霊は一つです。
それは、あなたがたが、
一つの希望にあずかるようにと招かれているのと同じです。

主は一人、信仰は一つ、洗礼は一つ、
すべてのものの父である神は唯一であって、
すべてのものの上にあり、
べてのものを通して働き、
すべてのものの内におられます。

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福音朗読 ヨハネによる福音書 6章1~15節

イエスはガリラヤ湖、すなわちティベリアス湖の向こう岸に渡られた。
大勢の群衆が後を追った。
イエスが病人たちになさったしるしを見たからである。
イエスは山に登り、弟子たちと一緒にそこにお座りになった。

ユダヤ人の祭りである過越祭が近づいていた。
イエスは目を上げ、大勢の群衆がご自分の方へ来るのを見て、フィリポに、
「この人たちに食べさせるには、どこでパンを買えばよいだろうか」
と言われたが、こういったのはフィリポを試みるためであって、
ご自分では何をしようとしているか知っておられたのである。

フィリポは、
「めいめいが少しずつ食べるためにも、
二百デナリオン分のパンでは足りないでしょう」
と答えた。

弟子の一人で、シモン・ペトロの兄弟アンデレが、イエスに言った。
「ここに大麦のパン五つと魚二匹とを持っている少年がいます。
けれども、こんなに大勢の人では、何の役にも立たないでしょう。」

イエスは、
「人々を座らせなさい」と言われた。そこには草がたくさん生えていた。
男たちはそこに座ったが、その数はおよそ五千人であった。

さて、イエスはパンを取り、感謝の祈りを唱えてから、
欲しいだけ分け与えられた。
人々が満腹したとき、イエスは弟子たちに、
「少しも無駄にならないように、残ったパンの屑を集めなさい」と言われた。
集めると、人々が五つの大麦パンを食べて、
なお残ったパンの屑で、十二の籠がいっぱいになった。
そこで、人々はイエスのなさったしるしを見て、
「まさにこの人こそ、世に来られる預言者である」と言った。

イエスは、人々が来て、
自分を王にするために連れて行こうとしているのを知り、
ひとりでまた山に退かれた。

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