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カタコンベ(Catacombe)

カタコンベ(Catacombe)とは、古代ローマの地下墓地をいいます。
 この名称は、現在サン・セバスチャッン教会の建つ、ローマのアッピア街道沿いの地名アド・カタクンバスに由来します。

初期のキリスト教徒がローマ皇帝の迫害を逃れ、殉教者たちを葬る傍ら、ここを隠れ家として信仰を守り続けたことから、キリスト教信者の地下礼拝堂、墓地等をこう呼ぶようになりました。19世紀の歴史小説『クオ・ヴァディス』にも、このことが書かれています。

はじめは地上の墓地に異教徒と共に、キリスト教徒も葬られていましたが、共同体の発展にともない、3~5世紀にはカタコンベが地下へ何層にも掘り進められ、そこに葬られるようになっていきます。

カタコンベの中には、多くの壁画や石棺彫刻が残されており、最古のキリスト教カタコンベ絵画は、3世紀のはじめごろの作品です。鳩、錨、魚などのシンボルの他、ヨナやラザロなどの救われた義人たちを描いた「救済の範示」が描かれています。

カタコンベの壁画の絵(レプリカ)
カタコンベの壁画の絵(レプリカ)

また、4世紀に入ると聖人への崇敬がさかんになり、聖人図像が発展し、聖ペトロや聖パウロなどの聖人の容貌が定型化されていきます。

しかし、5世紀に入ると、カタコンベは次第に縮小化され、6世紀半ばには埋葬されなくなっていきました。
 その後カタコンベは、信徒の崇敬の対象となっていきます。

ローマのアッピア街道等の旧街道ぎわには、このようなカタコンベが数多く点在しおり、ラツィオ州、シチリア、ナポリ、ジェノバなどのイタリア国内だけでなく、マルタ、北アフリカ、中近東諸国にも存在しています。


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