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モーセ五書のもととなった資料

  - ヤーウェ伝承、エロヒム伝承、申命伝承、祭司伝承 -

旧約聖書の最初にある、創世記、出エジプト記、レビ記、民数記、申命記の5つは、「モーセ五書」と呼ばれています。出エジプトから約束の地に至るまでの、イスラエルの民の信仰の歴史が書かれており、イスラエルの救いの歴史の原点となっています。

  1. ヤーウェ伝承 = J 伝承(Jahwist ヤハウィスト)
  2. エロヒム伝承 = E 伝承(Elohist エロヒスト)
  3. 申命伝承 = D 伝承(D-Quelle デー・クヴェッレ)
  4. 祭司伝承 = P 伝承(Priestershrift プリースターシュリフト)
           (J、E、D、Pはドイツ語の頭文字です。)
1.ヤーウェ伝承(一番古い)
ソロモンの治世の晩年にできあがったもので、ユダ王国に伝えられました。エルサレムの思想を反映しています。
2.エロヒム伝承(前9世紀か、8世紀)
ヤーウェ伝承と並行した伝承で、北王国で伝えられました。北王国で活躍した預言者の懸念が反映されています。北王国が滅んだとき、北王国の祭司たちがユダ王国に逃げ、持ち込まれました。
前700年~800年に、ヤーウェ伝承と一緒にされます。
3.申命伝承(ヒゼキア王の時代)
申命伝承は、主に申命記に表現されています。エロフィム伝承に似ていますが、独立した伝承で、北王国ででき、北王国からユダに逃げてきた人々によって伝えられました。
4.祭司伝承(前4世紀)
ヤーウェ伝承とエロヒム伝承が融合してできたもので、バビロンに捕らわれて行った時代(これを「バビロン捕囚」と言います)に編集されました。バビロンに流された祭司たちの書いたもので、バビロン捕囚の悲惨さの中から、救いの歴史を見ています。

以上の伝承が集まって「モーセ五書」が出来上がっていったとき、エズラが大きな役割を果たしています。エズラは、前398年に、ペルシャ王アルタクセルクセスの命令で、国の法律を伝えるために、エルサレムに派遣された人です。


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