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 陽だまりのグラウンド

2002年4月

VHardball

陽だまりのグラウンド

  • 監督:ブライアン・ロビンス
  • 原作本:ダニエル・コイル「Hardball: A Season in the Projects」
  • 音楽:マーク・アイシャム
  • 出演:キアヌ・リーブス、ダイアン・レイン

2001年 アメリカ映画 1時間46分


子どもたちの真心に、泣けました。大人はもっと、子どもたちの前でしっかりしていなくてはいけません。子どもたちの方が、しっかりしているからです。

「陽だまりのグラウンド」は、作家ダニエル・コイルの体験に基づいて描かれた作品です。生きることに疲れた大人たちへの、子どもたちから純粋な心のプレゼント……と思える映画でした。

物語

コナー・オニール(キアヌ・リーブス)はギャンブルにのめり込み、暗い毎日を送っています。これぞ……と思って賭けたバスケットボールの試合でも、ボロ負け。借金取りに苦しめられる毎日です。金を借りようと幼なじみのエリート社員を訪ねますが、彼はお金を貸すのではなく、週500ドルで少年野球チームのコーチをしないかと持ちかけます。コナーは借金返済のため、しぶしぶこの仕事を引き受けます。

ビルの谷間にある空き地にあるグランドに集まってきたのは、黒人の子どもたちでした。チームの名前は「キカンバス」。しかし、コナーの最初の仕事は、野球のコーチではなく、宿題を出さなかったために野球を禁止されている2人の少年が、再びチームに戻れるよう学校に頼むことでした。

クラスの担当は、チャーミングなエリザベス先生(ダイアン・レイン)。美人の先生に気をよくしたコナーは、少年たちが野球チームに戻るかわりに、勉強の面倒をみることを約束してしまいます。

陽だまりのグラウンド

子どもたちに対して、コナーはいい加減な気持で対応していました。しかし、チームの一人が、練習の帰り道に暴漢に襲われるという事件がおきます。実は、練習が終わった後、少年は、コナーに家まで送ってほしいと頼んだのでした。反省したコナーは、少年たちを車で送り届けることにします。

少年たちの家は、低所得者たちの住宅でした。悪い環境の中にあって、野球は子どもたちにとって、唯一の夢中になれる楽しみであり、厳しい現実から逃れられる時間だったのです。この野球を導いてくれるただ一人の大人として、少年たちはコナーに信頼を置くようになっていきます。

そんな子どもたちの熱い視線をもらいながら、コナーも子どもたちのことが頭から離れないようになっていきます。

試合が始まりました。強豪のチームに立ち向かう、リーグの最下位のキカンバス。しかし、試合中もヘッドホンを離さなず音楽に乗っているマイルスをマウンドに送りこんだことから、思わぬ展開が……。

陽だまりのグラウンド

自分たちの置かれた境遇を知っている子どもたち。そして、コナーが自分たちのコーチとしてそれほど真剣に関わってくれていないと知りながらも、信頼の置ける人であることを知っている子どもたち。彼らの信頼が、コナーの自堕落な人生を立ち直らせていきます。

最後の賭けに勝って大金を手に入れたコナーはコーチを止めようとしますが、自分の生き方を空しいと感じるようになっていました。二つに分かれる心……。子どもたちの心を受け取ったコナーは、彼らをプロの試合が行われている野球場につれていきます。憧れの選手サミー・ソーサを間近で見てはしゃぐ子どもたちの姿を見て、コナーの心は喜びに満たされていきます。コナーは、子どもたちと強い絆で結ばれたのでした。

 

コナーを見つめる子どもたちを見てください。子どもたちには、大人の存在が必要なのです。そんな子どもたちの思いが、泣けるのです。互いに助け合う子どもたちの姿も感動ものです。

すばらしく、さわやかな人間賛歌の物語です。この映画から、ぜひ元気をもらってください。

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