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 奥様は魔女

2005年8月

奥様は魔女

  • 監督・脚本・製作:ノーラ・エフロン
  • 音楽:ジョージ・フェントン
  • 出演:ニコール・キッドマン、ウィル・フェレル、
          シャリー・マクレーン、マイケル・ ケイン
  • 配給:ソニー・ピクチャーズ エンターテインメント

2005年 アメリカ映画 1時間43分


ジャック・ワイヤット(ウィル・フェレル)は、トップクラスの映画俳優だったが、いまは人気が落ちている。前作の映画はさんざんな出来で、私生活でも離婚の危機を迎えていた。そんな彼に、テレビ局からドラマ「奥様は魔女」のダーリン役でオファーがかかる。映画からテレビドラマに移ることはプライドが傷つけられる思いだが、ジャックはダーリン役に期待をかける。

ジャックは、自分を目立たせるために、奥様のサマンサ役として無名の新人を起用することを希望する。しかし、奥様が魔法を使うときに、鼻をピクピクと動かせる女性がいず、オーディションは難航する。

ある日、本屋に出かけたジャックは、本の間から、ピクピク動く鼻を見る。その鼻の女性を執拗に追いかけた。彼女の名は、イザベル・ビグロー。実は、本物の魔女だった。イザベルは、魔法を使わない世界で普通の恋がしてみたいと、人間の世界に降りてきたばかりだった。「絶対に魔法は使わない」と誓ったイザベルだったが、「これが最後よ!」といいながら、小さな魔法を使って、家を借り、生活を整えていた。娘のことを心配している父親(マイケル・ケイン)も、頻繁に姿を現していた。

直接オーディションを受けるためスタジオにやってきたイザベルだが、読み合わせで、なかなか上手にセリフを言うことができない。ジャックは台本を退け、アドリブでリハーサルを行うことを提案する。ダーリンがサマンサに魔法について問いかけるシーンで、イザベルは意気揚々とさまざまなこと話す。彼女にとってそれは、想像の世界ではない。だって、彼女は本物の魔女だったのだから、自分のことを話したにすぎないのだ。ディレクターやシナリオライターから、それがおもしろいと気に入られ、イザベルは、奥様役として採用されることに決まった。

奥様は魔女 奥様は魔女

撮影が進んでいったある日、好感度調査の結果が出ていて、サマンサ役のイザベルは高い評価を得ていた。ダーリン役のジャックはさっぱりだった。しかし、今までのドラマは、ジャック中心のシナリオで、イザベルにはほとんどセリフがなかった。もっと自分にもセリフが欲しい、夫婦だから、力関係もバランスがとれた内容を期待したイザベルは、ジャックに魔法をかけ、自分をもり立ててくれるようにしかける。魔法がかかったジャックは、イザベルに理解を示した。しかしこれは、ジャックの本心ではないという空しさに気づいたイザベルは、自分の中の怒りを、魔法に頼らず直接ジャックにぶつける。

はっきり言ってくれたイザベルに、ジャックは感謝し、その時から、二人はドラマの中だけでなく、私生活でも愛しあうようになる。ドラマの中で、人間との結婚に反対するサマンサの母親のアイリス(シャリー・マクレーン)は、実生活でも、イザベルにドラマと私生活を混同しないようにとイザベルに忠告する。

奥様は魔女

ドラマは順調に進む。しかし、愛が深まれば深まるほど、イザベルは、自分が魔女であることをジャックに打ち明ける必要を感じるのだった。そして、ある日……。

 

何回か魔法をかけるシーンがあります。鼻をピクピクさせたり、耳をこすったり、指を鳴らしたり……。魔法をかけられたジャックは、いろいろな反応をするのですが、イザベルはどれも気に入りません。魔法をかけられたときの場面を見ながら、人間は心の持ちようひとつで、どういう反応もできるのだと思いました。忙しくしているときに、何かを頼まれることがありますよね。「ダメダメ!」ときつく突き返すこともあるでしょう。しかし、同じ状況でも、心にゆとりがあるときは、違う対応ができます。それは、心の持ちようです。魔法をかけては、その後の状態を見ているイザベルを見ながら、人間の心理を見せてくれているように思いました。

映画が終わった後、なんとなく、自分がニコール・キッドマンのように、背筋を延ばしてスースーと歩いているような気分になりました。顔の表情も、ちょっと生き生きとなっているような……。もしかしたら、イザベルに魔法にかけられたのかも……。

楽しいサマンサ=イザベル=ニコール・キッドマンの世界、人間の心理をつく魔法の世界を、どうぞお楽しみください。この映画から、あなたは、何を見つけるのでしょう?

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