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 ナイロビの蜂

2006年6月

The Constant Gardener

ナイロビの蜂

  • 監督:フェルナンド・メイレレス
  • 原作:ジョン・ル・カレ
  • 脚本:ジェフリー・ケイン
  • 出演:レイフ・ファインズ、レイチェル・ワイズ
  • 配給:GAGA

2005年 イギリス映画 128分


本年度アカデミー賞で4部門(助演女優賞、脚色賞、編集賞、作曲賞)にノミネートされ、みごと助演女優賞に輝いた作品です。主演は「シンドラーのリスト」「イングリッシュ・ペイシェント」でアカデミー主演男優賞にノミネートされた レイフ・ファインズ、助演女優賞を授賞したグラント・ヘスロヴは、「スターリングラード」で女性兵士を演じたグラント・ヘスロヴです。

物語

英国外務省の一等書記官のジャスティン(レイフ・ファインズ)は、ナイロビの空港で、黒人医師アーノルドとともに、ロキに向かって出発する妻のテッサ(レイチェル・ワイズ)を見送った。テッサは、スラムでの医療施設を改善する活動をしていた。2日後に帰る予定だったが、ジャスティンに届いたのは、白人女性の遺体が発見され、それがテッサではないかという知らせだった。テッサを載せたジープは燃え、テッサはむごい姿となっていた。事件は単なる殺人事件として処理されようとしていたが、警察の態度や遺品から、ジャスティンはテッサの死に不信をいだきはじめる。

正義感に燃えるテッサの言動は、ジャスティンの社会的立場に有利ではなかった。しかし、波風が立つのをきらっているジャスティンは、妻の行動を黙認していた。

亡くなる数日前に、テッサが調査したレポートを外務省に提出していたことを突き止めたジャスティンが大手製薬会社の責任者に会いに行くと、ジャスティンは休暇を言い渡される。ジャスティンは、テッサが頼っていたテッサのいとこの弁護士に協力を頼み、ひそかにアフリカに渡り、独自の調査をはじめる。

ナイロビの蜂 ナイロビの蜂

テッサの歩んだ道をたどっていくうちに、自分の知らない妻の顔が見えてきた。自分が携わっていた外交では決して出てくることのない政府官僚と制約会社との癒着があり、薬物実験の不正をつきつめていく正義感に満ちた妻の姿が浮かびあがってくる。彼女が立ち向かっていた暗闇が見えてくるにつれ、彼は悲痛の叫びをあげた。

     「テッサ、どうして打ち明けてくれなかったのだ……、
   君の力になることができたのに!」

外交官という立場の夫を、テッサはいのちをかけて守った。ジャスティンのテッサの後をたどる旅は、彼女の愛の深さに気づいていく旅でもあった。妻の愛を受けとめ彼女の心にたどりついたとき、ジャスティンにも闇の手が迫っていた。

ナイロビの蜂


 

政治家と大手製薬会社の癒着を解き明かしていく手に汗をにぎるサスペンス。夫婦の愛を伝えるラブストリー、アフリカのスラムと医療の世界から人種差別をえぐり出す社会問題。どの点から見ても、見応え十分の作品です。

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