home>シスターのお薦め>お薦めシネマ>マザー・テレサと生きる

お薦めシネマ

バックナンバー

 マザー・テレサと生きる

2010年1月

牛の鈴音

  • 監督:千葉茂樹
  • 構成:千葉好美
  • 語り:山根基世(ことばの杜)
  • 配給:東風

2009年 日本映画 73分

  • 文部科学省選定
 

2010年8月、マザー・テレサ生誕100年を迎えます。マザー・テレサが亡くなった後も、「死を待つ人の家」などマザー・テレサが開設した施設があるインドへボランティア活動に行く人々は後をたちません。鹿児島に住む堂園医師も、その一人です。毎年、医学生たちを連れてインドへ向かいます。「なぜ、インドへ行くのか」という千葉監督の問いに、堂園医師は「医師となったとき、『何か違う』という疑問を持つことができるようになってほしい……」と答えています。

2008年の夏、インドへ行った堂園先生のグループの中に一組の夫婦がいました。夫の山本さんは、“どや”が立ち並ぶ山谷に「死を待つ人の家」を開きたいと、夫婦で力をあわせホスピス「きぼうのいえ」を開設しました。そこに入所している井沢さんは、1981年に日本に初めて来日して、すぐ山谷を訪れたマザー・テレサを遠くから見ていました。井沢さんは「(マザーは)、貧しい人を思う心がある。もうああいう人は2度と現れないと思う。マザーは、わたしたちの中に生きている」と宣言します。

1981年、日本に初めてやってきたマザー・テレサは、日本を出発するとき、シスターを日本に派遣することを心に決めていました。その後、日本にやってきた4人のシスターたちは、「未婚の母」を助ける活動を始めました。その後、名古屋、別府と支部は増えています。東京の西新井の本部修道院では、地域の高齢者やホームレスの人々に、食事サービスをしています。

マザー・テレサが創立した「神の愛の宣教者修道士会」はブラザーたちの会で、シスターたちよりも早く、1978年に来日しました。山谷に住む彼らは、毎朝の朝食サービスや、ボランティアたちとともに土曜日の食事の配給をしており、すっかり山谷の住人になっています。

1979年に「マザー・テレサとその世界」を撮影してインドでのマザー・テレサの活動を収録した千葉監督は、30年経った今、マザー・テレサの精神を受け継いで活動を行っている日本人を追っていきます。「あなたの近くで、カルカッタを見つけてください」と、日本人のシスタークリスティンは、インドにやってきた日本人ボランティアに訴えています。マザー・テレサの貧しい人々に向かう精神は、今も、多くの人々の中に、脈々と受け継がれています。


▲ページのトップへ