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 愛について、ある土曜日の面会室

2012年12月

QU'UN SEUL TIENNE ET LES AUTRES SUIVRONT

サンタクロースをつかまえて

  • 監督・脚本:レア・フェネール
  • 脚本:カトリーヌ・パイエ
  • 音楽:リュック・メイヤン
  • 出演:ファリダ・ラウアジ、レダ・カテブ、ポーリン・エチエンヌ、
    マルク・バルベ、ヴァンサン・ロティエ、デルフィーヌ・シュイヨー
  • 配給:ビターズ・エンド

2009年 フランス映画 2時間

  • 第66回ヴェネチア国際映画祭正式出品
  • 第35回ドーヴィル映画祭最優秀第一回作品
  • 第67回ルイ・デリュック賞新人監督賞
  • 第15回リュミエール賞新人女優賞
  • 第11回エトワール賞新人女優賞

土曜日の朝、刑務所の前に人々が集まっています。刑務所にいる家族と面会するために待っている人々。傷を負い、愛を求めている罪人たち。つかの間の面会の時間を大切に過ごしたいと思っています。しかし、そんな人ばかりではありませんでした。息子を殺した犯人と出会おうとしている母親、お金のために受刑者と入れ替わろうとしている男性、お腹の中の子の父親との関係を断ち切ろうとしている未成年の女性。彼らの苦悩をとおして、ゆるし、希望、愛の姿を描いてきます。



物語

フランスに行っていた息子が、何者かに殺されたという知らせが、アルジェリアに住むゾラ(ファリダ・ラウアジ)のもとに届く。飛行機で運ばれてきた息子の身体を拭きながら、ゾラはこの5年間、息子のことを何も知らなかったことに直面する。息子がどのように生きていたのかを知るためにフランスへ渡ったゾラは、犯人の姉セリーヌ(デルフィーヌ・シュイヨー)との出会いから、子守としてセリーヌの家で働くようになる。殺人を犯した弟に対して、自分を責め続けるセリーヌの話から、息子と犯人との関係が見えてくる。涙の中にいるセリーヌの悲しみと苦しみの深さを知ったゾラは、セリーヌを励ますようになる。

愛について、ある土曜日の面会室


16歳のロール(ポーリン・エチエンヌ)は、サッカーが大好きな活発な女の子。バスの中で出会ったアレクサンドル(ヴァンサン・ロティエ)とつきあうようになる。ある日、アレクサンドルが警察に逮捕されたという知らせが入る。刑務所に会いに行こうとするが、未成年のロールは、保護者の付き添いが必要だった。たまたま知り合った病院スタッフのアントワンに連れ添ってもらい面会に行くようになるが、アレクサンドルは、ロールが年上の男性といつも面会に来ることに腹を立てる。アレクサンドルの態度に違和感を抱き始めたロールだが、妊娠していることに気づく。

愛について、ある土曜日の面会室


病院に血液を運ぶ仕事をしているステファン(レダ・カテブ)は、恋人との関係がうまく行っていない。ある日、地下鉄の駅で暴漢に襲われたステファンは、助けてくれたピエール(マルク・バルベ)から、ある仕事をしないかと声をかけられる。ステファンが刑務所に入っている親友にあまりにもよく似ていることに驚いたピエールは、多額の報酬を出すから、刑務所にいる親友と入れ替わってくれないかとステファンにもちかける。ピエールは、弁護士をつけて、一年で刑務所から出るようにするからと言うが、ステファンは信じることができない。しかし、恋人との関係を取り戻すために、経済力が必要だったステファンは、面会室に向かう決心をする。

愛について、ある土曜日の面会室


 

黙って悲しみに耐え、じっと犯人の姉の話を聞くゾラの姿が印象的です。人生の重さを描いたレア・フェベール監督は、1981年生まれの若い女性監督です。刑務所でのボランティア活動の中で経験したことから、この作品のアイデアが生まれたそうです。さまざまな人生が交錯する刑務所の面会室。日本の刑務所とは、ちょっと勝手が違うフランスの刑務所です。


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