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 魔女と呼ばれた少女

2013年 3月

REBELLE

魔女と呼ばれた少女

  • 監督・脚本:キム・グエン
  • 出演:ラシェル・ムワンザ、セレジュ・カニンダ、
        アラン・バスティアン
  • 配給:彩プロ

2012年 カナダ映画 1時間30分

  • 第85回アカデミー賞外国語映画賞受賞ノミネート
  • 第62回ベルリン国際映画祭銀熊賞、主演女優賞受賞
  • 第11回トライベッカ映画祭作品賞、主演女優賞受賞
  • バンクーバー映画批評家協会賞作品賞、主演女優賞、
              助演男優賞受賞
  • 他、多数受賞

戦争、紛争、内紛とさまざまな戦いがありますが、どのようなものであっても戦争は、兵士にも民間人にも地獄を体験させます。コンゴ民主共和国の小さな村に住む少女にも、戦争によって過酷な運命がふりかかってきました。この映画は、「生まれてくる子に、自分のことを語ろう」と語り始める14歳の少女の物語です。


物語


両親と暮らしていた12歳の(コモナラシェル・ムワンザ)の村は、ある日突然の悲しみに襲われた。“グレイト・タイガー”(アラン・バスティアン)が率いる反政府軍が責めてきたのだ。兵士たちは、見境なく村人を撃ち、コモナの家にもやってきた。両親を壁に並んで立たせるとコモナに銃を渡し両親を殺すよう命じた。涙を流してコモナは拒否したが、両親は自分たちを殺すよう言い、コモナは引き金を引いた。

兵士たちは子どもたちを集め、森の中へ連れていった。子どもたちに棒切れを渡し、機関銃の操作を教えた。非人間的な訓練が続いた。少ない食べ物でひもじい日が続いた。お腹が減ると先輩の子ども兵士の“マジシャン”(セレジュ・カニンダ)が食べ物をコモナに分けてくれた。

魔女と呼ばれた少女
(C) 2012 Productions KOMONA inc.


ついに、実践の日がやってきた。実弾の入った機関銃を渡され、子どもたちが最前列になって敵が隠れている森の中を進んでいった。コモナが身を低くして先頭を進んでいくと、分かれ道に肌を白く塗った両親が立っていた。両親はコモナに叫んだ。「逃げろ!」コモナは身をひるがえして逃げ、多くの仲間の命を救うこととなった。肌を白く塗った亡霊を見ることができるコモナは、やがて“魔女”と呼ばれるようになった。

13歳になったコモナは、グレイト・タイガーの魔女としてあがめられていた。しかし、マジシャンから「いずれコモナも殺される」と言われ、二人はグレイト・タイガーのもとから逃げ出した。

魔女と呼ばれた少女
(C) 2012 Productions KOMONA inc.


マジシャンとの逃避行の旅は楽しく、久しぶりに自分自身を取り戻した。マジシャンはコモナに結婚を申し込んだ。結婚の条件として、コモナは父から聞いていた「白いオンドリを見つけて」と頼んだ。探すのが一番難しいと言われている白いオンドリを探す二人の旅が始まった。

 

アフリカの子ども兵士の話に衝撃を受けたカナダ人のキム・グエン監督は、取材を重ね、長い間思い続けてきた内容を、紛争の続くコンゴ共和国を舞台に映画化しました。監督自らが町でみつけた主演のラシェル・ムワンザは、ベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞しました。アフリカ初の快挙でした。厳しい現代社会の現実と、古くから伝わる土地の伝統を神秘的に表現した貴重な作品です。


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