homeシスター三木の創作童話>お日さまのいろ

シスター三木の創作童話

お日さまのいろ

オレンジ色の木々

  冬の太陽に
  まっすぐ顔をむけて 目をとじる
  目の中がいっぱい
  オレンジ色になった

  目のまえに 手をおく

  目の中のオレンジが
  濃い紺色になった

  すこし 手をはなしてみよう
  紺色は むらさきになった

  もうすこし 手をはなしてみる
  目の中が 赤むらさきになった

  もっと 手を遠ざけてみる
  目の中が まっ赤になった
  ああ お日さまのいろ

  完全に手をはなしてしまう
  まっ赤が オレンジいろになった
  はじめのいろだ

  目をつぶったまま
  目のまえで 手をはげしくふる
  オレンジと赤むらさきの
  ベルトの中に
  ほんのときたま 黄色がはいる
  ああ 光のいろだ
        ・・・・・・・・・

光をあびる人

  ふと
  いつも
  まっくらの中にいる人のことを思う
          ――――――――――

  目の中のオレンジが消えた

  かみさま――おねがいです

  光をください
  わたしが いま見ていた

  光を!
     ・・・・・・・・・
  それがむりなねがいなら
  どうか
  あなたの光を ください
  光よりまぶしい
  あなたの光を


LAUDATE TOPへトップページへ

▲ページのトップへ