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人は生きたように亡くなる……Sr.東瀬戸

2008/12/04


Sr.東瀬戸

顔をくしゃくしゃにした笑顔がステキなシスターが、11月29日(土)の待降節第一主日の前晩に天国に召されました。

1932年、韓国の大田に生まれたSr.マリア・ティモティア東瀬戸郁子は、1951年5月13日に洗礼を受け、その一年後、東京修道院に入会しました。キリストの人生を知り、罪のない人が十字架上で亡くなったということにとても心を打たれたSr.東瀬戸は、イエスが人々にいのちをささげた愛に、自分も答えたいと思い、洗礼の日に、修道者になる恵みを求めました。教会で女子パウロ会のシスターと出会い、主が彼女たちと生活をともにするように招いておられることを確信しました。

1956年12月8日に初誓願を立て、技術の使徒職に就きました。使徒職中に裁断機で指を切断するという大きな苦しみを受けましたが、嘆くことなく大きな信仰をもって受け入れました。東京と仙台などの修道院で学校や事務所の訪問する団体宣教に携わり、その後、料理の奉仕に携わるようになりました。Sr.東瀬戸はどんな時間でも、だれでも、よくいらっしゃいましたという姿勢でお客を迎え入れていました。最後の最後まで料理の使徒職を果たし続けました。

誓願50周年の記念日には、感謝の心が永遠に続きますように、そして、若い人々が主に従い、いのちを奉献する喜びを味わうことができるように祈り、できることをすべてしますと総長に表明しました。

Sr.東瀬戸 Sr.東瀬戸

Sr.東瀬戸は、人目にはつかない隠れた奉仕を黙って果たしていました。彼女が倒れたとき、聖堂では「待降節を迎えるための祈りのコンサート」のために人々が集まってきていました。仲間のシスターたちが一生懸命使徒職をしているその傍らで、一人で静かに天国に召されるというのは、Sr.東瀬戸の生き方そのもののように思いました。

Sr.東瀬戸の甥さんが、葬儀のときのあいさつで詩を朗読されました。ご紹介します。

 
馥郁(ふくいく)の力

あなたの背中が教えてくれたもの
人知れず道傍にそっと咲く花に 語りかけてごらん
「美しくいきましょうよ」と応えてくれるわ

あなたの微笑みが伝えてくれたもの
登りゆく坂道で過ぎゆく草たちを よく見つめてごらん
「力強く生きましょうよ」と手を振ってくれるわ

あなたの手の温もりがきづかせてくれたもの
天の恵みの雨さえも時には試練を 与えてくださるのよ
「ひとすじの気持ちは忘れないでね」

Sr.東瀬戸

あなたの祈りが届けてくれたもの
 風には伝える力があること
 星には道を指す力があること
 海には限りない力があること
 月には秘められた力があること
 太陽には新たな力があること
 闇には一途な力があること
 歌には生きる力があること
 山には動じない力があること
 そしてあなたには 無限という力があること
 そして人には 和という力があること

あなたが教えてくれたもの
今日のこの日は誕生の時。

       天に召された我が誇りの叔母
シスターマリア・ティモティア郁子へささぐ。

2008年(平成20年)12月2日   告別式の朝
聖パウロ女子修道会にて記す。

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