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祈りのひととき

気が散るとき

主よ、
祈ろうと思うそばから
やっておかねばならないことや、先の予定が、
つぎつぎと心にしのびこんできます……
まるでわたしの心を あなたから引き離そうとするかのように。
けれど、もっと始末が悪いのは
「自分のやりたいこと」をめぐるわたしの思いです。

申しわけのように一瞬間
あなたを思う努力をしてみたすぐそのあとで
ねらいあやまたず発射されたミサイルのように
わたしの心は相も変わらぬ目的地の 自分の計画めがけて
一直線にとんでいってしまいます。

「わたし」から、また「わたしのしたいこと」からは
逃げようとしても逃げられません。
祈りたいという思いも 決してうそではないというのに……
「神がおられる」神秘をとらえたいと願いながら
心乱れてもがいてばかりです。

ですから、主よ、
どうかこの乱れた心をそっくりそのまま 受け入れてください。
どうにかしてあなたのもとに近づきたい-
といよりむしろ、
あなたにわたしの所まで来ていただきたいと望まなかったら
気が散るという経験をすることさえもないでしょう。

内面的な沈黙に達しようとする試みや
あなたに近づこうとする願いに 
いつもつきまとうのが この悩みですが
おそらくそれはあなたを妨げるものでなく
わたしを苦しめるだけなのでしょう。

『弱さのなかの力』より(女子パウロ会刊)


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