home > 女子パウロ会とは > 新世紀ルーツへの巡礼 > 2-聖パウロ修道会 > 印刷工場の火事

新世紀ルーツへの巡礼

目次

平和のないクリスマス

「ルーツの巡礼」が今まで旅してきた時代を、少しさかのぼる新しい修道院建築前のクリスマスに起こったひとつの出来事をご紹介しましょう。

その時は、アルベリオーネ神父が、少年たちを指揮して出版活動を大々的にはじめた矢先の出来事です。聖パウロ会は、もうひとつの試練に見舞われることになります。

印刷工場の火事

馬小屋

1918年、クリスマスイブの日、少年たちが明日の祝日に備えて夜の10時半まで印刷所と倉庫をかたずけ、幼きイエスをお迎えするために、クリスマスにふさわし雰囲気作りをしました。準備を終えてから、修道院に帰り、告白をして心の準備をし、念入りに服装をととのえ、アルベリオーネ神父が捧げる夜中の三つのミサにあずかりました。その後、少年たちはポレンタ(トウモロコシの粉で作ったもの)と、ソーセージで十分満腹し、明朝8時半まで眠るつもりでベッドにもぐりこみました。

早朝3時、アルベリオーネ神父は玄関番の娘のあわてた叫び声で目をさましたのです。彼の印刷所で火事が出たというのです。アルベリオーネ神父は少年たちを起こし、自らは最初に現場にかけつけて極力消火に努めました。刺激臭の強い、濃い煙の中で彼は2度失神したほどです。

スーザ
    スーザ

●この被害は、大きいものでした。印刷所を唯一の生活手段としていた少年たちの怖れと驚きも大きかったのです。アルベリオーネ神父は、煙の中を歩いた時にひざを強く打ち、それが原因で発熱し、一日中ベッドにくぎづけにされることになりました。

●この火事のことをキエザ神父も記憶していて、小教区日誌にこう書いています。

 1918年のクリスマス。
 カテドラルでは、司教の荘厳ミサは執行されませんでした。というのは、流行病のため神学校はまだ休校のままだったので、神学生たちがいなかったからです。
 以前のように、アルベリオーネ神父の少年たち(20人)が代理を努めることができたのですが、クリスマスイブ(3時)に印刷所で起こった火事のために、一日中働かなければならず、出席できなかったからです。

ブルンザーネの主任司祭ジョバンニ・バッティスタ・モローニ神父は、当時をこう思い出しています。「火事の翌日、煙で真っ黒になり、窓ガラスが全部破れてしまった印刷所の前で、アルベリオーネ神父に会い、お見舞いを言った。ところが、彼は、とても落ち着いて静かに答えた。『小罪を1回犯すよりも、重大なことではなかったと思います』と。」

いろいろの出来事をとおして、パウロの弟子たちは広げられた神の手にすべてを托していったのでしょう

◆2--6 平和のないクリスマス


▲ページのトップへ