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新世紀ルーツへの巡礼

目次

さらなる発展へ

5) なすべきことをする、あとは……。

電話で話すシスターテクラ
電話で話すシスターテクラ

シスターテクラ・メルロにとって、なにをなすべきかは明快でした。宣教上の企画に彼女の言葉は決定的方向づけとなり、諸問題の解決となっていました。ある企画が提案され、それを実現するうえで、経済的な困難に出合うと、彼女はこう尋ねるのでした。

「もしこれをすれば、よいものが生み出されますか? では、しましょう。ほかのことでは心配しないように。信仰をもちましょう。そうすれば神の摂理が助けてくださいます。使徒職においてなによりもまず求めなければならいのは、人びとの善です。利益ではありません」と。

かつて、アルベリオーネ神父が映画による宣教をはじめなければならないと語ったとき、彼女はすぐにそれを受け入れ、協力したのでした。

ブラジルで長年宣教したパウロの娘はこう言っています。

1959年、シスターテクラ・メルロがクリチバの修道院を最後に訪問されたときのことです。 教区の小さい放送局で私たちがしていた仕事に深い関心を示され、努力、希望、可能性、困難など、すべてを吟味してくれました。私たちの録音した教理の説明や宗教的講話を、たくさんの中継局が放送したがっているが、電圧の相違や技術上あるいは実務上の種々の困難のために実現できないと知って、シスターテクラ・メルロは、考えめぐらしたことの結論のようにこう言われました。

「聞いてください。放送できなければ、あのレッスンや講話をレコードにしたらどうですか? レコードならどこでも聞けるでしょう」と。

私はびっくりしました。「それはもっと多くの困難にぶつかるではありませんか? シスターの数も少なく、おまけになにもできない者ばかり、クリチバはたいした町でもない・・・私はあやぶむ理由をつぎつぎと並べはじめました。シスターテクラ・メルロは答えて、『いいえ、いいえ、なさい。やってごらんなさい。善をおこなわなければなりません。神さまのみ言葉は普及されなければならないものです。やってごらんなさい』。

私は、まだ心配げに、『では問い合わせてみましょう。できるかぎりのことをいたします』と答えました。

シスターテクラ・メルロはたたみかけるように言われました。『早くなさいね。はじめのうち、そのレコードはそんなにりっぱなものでなくてもかまいません。善をなすことができれば、それで十分です。少しずつもっと完全なものができるようになるでしょう』。

翌日、飛行場へ行く途中の自動車の中で、建築中の建物を指して、そこに書院を開く許可を願いました。シスターテクラ・メルロは賛成してくださいましたが、そのときも彼女の頭は、放送による使徒職のことでいっぱいでした。・・・『教理を教えるためのレコードを早くしてくださいね。きっとよいものができ、役にたつと思います。あまり大勢の人と相談するのはよくありません。騒がないで、神さまに信頼して、すぐなさい。主はきっと祝福してくださるでしょう。私もお祈りしていますよ』と言われました。そして結果は宣教上のすばらしい祝福でした。」

1963年、ボリビアで修道院を創設することになりました。しかし、その国では、当時文字を読めない人が非常に多いので、はたして出版による宣教ができるかどうか疑問でした。それでためらっていましたが、彼女はこう言われました。

「もしそこのたくさんの人が文字を読めないなら、絵やレコードで宣教しましょう。そこにも宣教のセンターがなければなりません。そこにも主を知らせなければなりません」と。

◆7--1 さらなる発展へ


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