home > 女子パウロ会とは > 新世紀ルーツへの巡礼 > 11-新しい時代:刷新の歩み > 11-1 刷新の歩み

home > 女子パウロ会とは > 新世紀ルーツへの巡礼 > 11-新しい時代:刷新の歩み > 1- 霊性センターの設立 >

新世紀ルーツへの巡礼

目次

 新しい時代:刷新の歩み

霊性センターの設立 2

創立者とロアッタ神父、その仲間

霊性センターについてアルベリオーネ神父との関わりなどを含め、その当時のことをロアッタ神父とのインタビューの続きをお伝えします。

聞き手:女子パウロ会 シスター

語り手:ロアッタ神父      

女子パウロ会 シスター:
いいえ、できれば時代を追って聞かせてください。

ロアッタ神父:
ここまでの話は1925年……30年のことだったが、彼が私に師イエスのことを研究するように言ったのは1979年のことだ。1949年9月、私が司祭になってから12年目だった。

女子パウロ会 シスター:
そのときまで、何をなさっていたのですか。

ロアッタ神父:
そのときまで、勉強、著作。本を2冊書いた。アルベリオーネ神父は私に2冊本を書くように言われました。1冊は聖女ルチアの本、もう1冊は教科書で、動物の生態学のもので、人間などを扱ったものでした。それから司祭になり、大学に送られました。聖アンセルモ大学です。どこにあるか知っているでしょう?
聖アンセルモには3年通いました。卒業したら、ひき続き今度は教皇庁立聖書研究所に入るように言われました。入学手続きをして勉強を始めましたが、その間に神学生に神学を教えるように言われました。

ところが何かが起こった。ある日、創立者は私を呼ばれました。1941年の終わりごろから1942年のはじめにかけてでした。手紙が来て、軍属司祭を統率している司教が司祭派遣を要請している、と話されました。戦争が拡大していて、軍属司祭が若い青年兵士たちにつきそってほしい、ということだった。私たちからもだれか送ってもらえないか、という要請だった。そして、創立者は私に「行ってみるか」と尋ねられたわけです。私も「もちろん、けっこうです」と答えました。

この話はおもしろい、という感じでした。そこで彼は軍属司祭団司教に私の名を知らせました。その後、私に声がかかり派遣先が知らされてきました。レッジェオ空軍隊が派遣先でした。レッジェオはギリシアとトルコの間にあるいくつかの島で、当時はイタリア領でした。私は飛行機の間で働くことになりました。旅行に出たわけですが、そのころの飛行機旅行は至難のわざで、目的地に到着する代わりにギリシア領の畑に不時着しました。どこだかもわからない、という状態の不時着だった。幸い頭をぶつけもしなかった、神様がそれをお許しにならなかったので。

いったいどこなのかを尋ねると「コリント」という返事だった。コリントのすぐ近くだった。5キロ行けばコリントという地点だった、私たちはコリントに連れていってもらい、そこに2日とまった。そこで私はコリント見物をした。聖パウロの教会、これはりっぱなものだった。コリントからもう一つ重要な地点アテネに連れていってくれた。アテネからは、また飛行機で目的地に到着した。私が二年間過ごしたのは、エフェソに面した一つの島だった。こうして、私はパウロの道をちょっと自分の足で歩いたわけだ。

女子パウロ会 シスター:
思いがけなく……。

ロアッタ神父:
そう、思いがけなく。そこに2年いた。イタリアではムッソリーニとファシズムが崩れた。そして私はイタリアに帰ってきた。

そのとき、修道士のマエストロ(先生)になるように任命された。アルバには当時相当数の修道士の立誓者がいた。70人ぐらいだった。そこで、中断していた神学の勉強を続け、博士論文を書いた。論文提示と論ぱくをしにローマに行った。

その翌年、アルベリオーネ神父に一つの考えがわいてきた。「こいつは神学博士になったのだから、師イエスの研究をしたらよい仕事ができるだろう」。
1949年9月、アルバの私に手紙が来た。「今していることを全部手放して、トリノに行きなさい。トリノの修道院には資料の豊富な図書室もあるし、他の便利もあるから、そこで師イエスについての本を書きなさい」。彼は、師イエスについて本を書け、といった。

師イエスの本を書けといわれたら、あなただったらどうする? 私はその言葉を文字どおりにとった。

私たちはいつでも「師イエス」と呼びかけて祈っている。だったら、これはどういうことか、師とは何か……。そこで私は教父の著作から聖書から、手あたり次第にこれに触れていけそうな本を読みまくった。この面に触れているのではないか、と思われる本を読み続けた。

2年間。昼も夜も、1日15、6時間読んだ、教父の著作を洗って、師イエスについてのたくさんのことを見つけた。じつに興味深いものがたくさんあった。

ある日、アルベリオーネ神父は、「ローマに来て、その仕事を続けなさい」と言われた。
私はローマに行って、この収集の作業を続けた。

インタビューは次回にも継続します。

◆11-新しい時代:刷新の歩み


▲ページのトップへ