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新世紀ルーツへの巡礼

目次

 新しい世紀に向かっての歩み

2)修道会創立75周年(1990年)

75周年のための回状

1989年は、パウロ家族創立、聖パウロ修道会創立75周年、1990年は聖パウロ女子修道会創立75周年を迎えました。この一つの区切りに、総長は小冊子を会員に送り、次のように述べています。

今、修道会が存在するところからは、二つの道標、つまり、一つは、大部分が創立者とシスターテクラ・メルロの指導のもとに発展し、生きてきた75年のいのちと歴史であり、もう一つは、新しい福音宣教を待つ21世紀にさしかかろうとしている現代世界から受ける大きな挑戦が立っているのが見えます。

カリスマの真の実現は、私たち会員の目が、過去、現在、そして旅の途上にある教会との調和のうちに未来へと進む歴史的具体性の中に神のご計画を見ることが求められます。

そのために求められるのは、自分たちのルーツを再発見すること、つまり本質的な、きわめてダイナミックな創立者の遺産に分け入ることです。

1979年には大陸別に創立者のカリスマを深める歩み、1984年には会憲のアニメーションを行い、アルベリオーネ神父の精神を深める熱い望みを会員の中に起こしてきました。それだけでは十分でないと評価した総会の決定に従い、1991年、自らのルーツを再発見するという歩みの中で、総統治は、各統治区のリーダーたちの養成として国際レベルでのカリスマを深めるセミナーを行いました。その目的は、修道会全体が目指して行おうとしているカリスマを深め、吸収し、実現するというプロセスの中での歩みでした。総統治は、引き続き会員のためにカリスマを深める研修会を数回設けました。

このパウロ的生活の“根”に触れて、今日的刷新の時とすることを目指した研修の実りは、全会員に開かれました。日本からも代表者が参加しました。それに参加した会員は喜びの中で自国に帰り、その喜びを伝えたのでした。

修道会創立75周年という時は、バチカン公会議の刷新・混乱を生きた修道会にとって実に恵みの時でした。総長は、「この恵みの年に、教皇も将来に広がる二つの大きな贈り物をくださいました」と述べます。

一つは、シスターテクラ・メルロへの「尊者」の称号です。
シスターテクラ・メルロがキリスト教的徳を生きられたことを、この年に教会が承認したことは、偶然のことではありません。彼女の姿は、私たちの前にある輝く光です。彼女の、「私1人では何もできないが、神とともにすべてができる」は、私たちの信仰を照らし、勇気を与え、献身を助けてくれます。

パウロ家族の起源と発展は、福者ジャッカルド神父と尊者シスターテクラ・メルロの聖性によって証明されます。
パウロ的召命の中に清い泉がほとばしり出る確かなしるしであり、その水は安全で聖化する力があるということです。パウロ家族のメンバーは、社会的コミュニケーションの困難な分野であらゆるキリスト教的価値、すなわち聖性をもたらすことができ、また、もたらさなければなりません。シスターテクラ・メルロが尊者に上げられたということには、また、彼女が私たちの聖化のためにいのちをささげられたという意味もあるのです。

もう一つの贈り物は、回勅『救い主の使命』です。
この回勅は、修道会創立75周年にはめ込まれた真珠のようです。これは、私たちの宣教の使命を証明するだけでなく、この召命に結ばれ方向づけられている福音宣教の手段や範囲を確かなものとします。

「現代世界の新しいアレオパゴス(使徒行録参照)は、社会的コミュニケーションの世界である……マス・メディアの役割は単に告知を増やすということだけでなく、さらに深い意味をもっている。それは、現代文化の福音宣教そのものがマス・メディアの大きな影響を受けているからである」(RM37)。それゆえ召命への信仰を新たにするよう呼ばれています。

「パウロの娘の召命を受けた私たちは、次のことを確信している。社会的コミュニケーション手段によって教会は「新しい自己表現の可能性を得た」こと、また、それによって救いのメッセージがよりたやすく全世界に到達し、人の良心に問いかける可能性ができたことである」(会憲20)。

創立75周年(1990年聖パウロ修道会、翌1991年聖パウロ女子修道会)を祝った修道会は、教会と共に私たちを3千年期に向かわせます。

◆11-新しい世紀に向かっての歩み


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