home>キリスト教入門>なるほど! 社会教説 “しろはた”>第12回:参加すること(2)

なるほど! 社会教説 “しろはた”

第12回:参加すること(2)

<第2部、第8章、4 、e 情報提供と民主主義(414-416)>

 ある集団に参加するということは、その集団の情報を共有するということです。仲間外れにするためには、その人に情報を与えないか、誤った情報を与えるのが常套手段です。わたしたちは、仲間外れのない社会を目指して、不正な情報隠しや悪意の偽情報のような情報操作には、断固反対しなければなりません。

 一方で、あえて仲間外れにしようと思わなくても、情報提供が十分でないために、結果として仲間外れの状態が生じてしまうこともあります。ある意味、このことの方が問題としてはより深刻です。たとえば、視覚障害者や聴覚障害者に、健常者が難なく得ている共同体のための基礎的情報が届いているでしょうか?日本語に難儀している国外からの移住者や移動者に対してはどうでしょうか?ときに、情報はその人の生死にかかわります。通信技術の飛躍的な進歩にもかかわらず、いわゆる「情報弱者」といわれる人たちがいることに、わたしたちは敏感でなければなりません。

 「参加」という積極的な言葉の響きに引きずられて、その人が消極的だから(努力しないから)参加することから排除されているのだ、と考えるのは誤りです。さまざまな権利と同様に、参加することも保障されなければ達成されません。そのために必要な最低条件が、きちんとその人に情報が届く、ということなのです。


次へ

▲ページのトップへ