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どうしてシスターに?

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シスター マリア・グレイス 松本 恵

神さまに文句の嘆願

シスター松本

カトリックの家庭に育ち、中高とミッション・スクールで学び、シスターと身近に接する機会のあったわたしは、小さいころから、“シスターになりたい”とあこがれのようなものを持っていました。そして、子ども好きだったわたしは、教育事業をしている会のシスターになりたいと思うようになりました。

高校生になって、自分の子どもが欲しいから結婚生活がいいという気持ちと、やっぱりシスターになりたいという気持ちが交差しはじめましたが、進学進路を決めるときには、やはり教育修道女希望の夢を持って、教育学部のある大学にしぼりました。ところが進んだ大学が、男女共学だったので、そこで、ある男子学生を好きになってしまったのです。

まだ最初の夢を捨てていませんでしたので、ある線以上は越えないようにと決めてつきあっていきましたが、だんだん自分の気持ちを抑えるのがつらくなってきました。そして、ついに神様に文句のような嘆願のような激しい祈りをしました。

「主よ、どうかわたしの道をはっきり教えてください。もしわたしを本当に修道生活に召しておられるのでしたら、これを試練として受けとめ、つらい思いを捧げます。でももし、結婚生活に望まれるのなら、どうかそれをはっきりおっしゃってください。そうすれば無駄に苦しまなくて、この愛を育てたっていいんじゃないんですか?」

数年後、大学卒業真近になって、神様は女子パウロ会の存在を知る機会をくださり、その黙想会に参加するようにしてくださいました。その中で神父様のおっしゃったひとこと、他の人には別に大きな意味を持たなかったかもしれないひとことが、とても強く響きました。それを、祈りの答えとして受けとめることができたのです。

それからはすっきりと、好きな人への気持ちも試練として耐えることができました。そして、今まで考えてもいなかった会、女子パウロ会特有の使徒職と、シスターたちの雰囲気が、わたしに魅力を感じさせるようになったのです。その後の2年間の教師生活中も、まだわたしをひきつけ続けたので、女子パウロ会がわたしの会だと悟りました。

いつもわたしの弱いところをつつきながら、人や出来事を通して示してくださる主のお望み! それを聴き分け、それに従いたいという思いだけで、夢中に歩んできた道が、入会して27年。ここオーストラリアに派遣されて、8年になりました。


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