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年間 第32主日
マカバイ記 1 1.1~24
1章
1 マケドニアのフィリポスの子アレキサンドロスはキッテムの地から兵を挙げ、ペルシアとメディアの王ダレイオスを粉砕し、彼に代わってまずヘラス地方に覇を確立した。
2 アレキサンドロスは更に戦いを重ね、砦を落とし、各地の王の首をはね、
3 地の果てまで突き進んで多くの民族の間で略奪を働いた。全地は彼の前に沈黙し、彼の心はおごり高ぶった。
4 途方もなく強大な軍を組織して、諸国、諸民族、支配者たちに君臨し、彼らに貢を強要した。
5 だが、やがてアレキサンドロスは病床に伏す身となった。彼は死期を悟ると、
6 幼少のときから共に育てられた腹心の部将たちを呼び寄せ、息のあるうちに王国を彼らに分与した。
7 こうしてアレキサンドロスは十二年の統治の後に死に、
8 かの部将たちはそれぞれ、分与された地で権力を振るうことになった。
9 すなわち、部将たちは彼の死後、皆王冠をいただき、その子孫が多年にわたり跡を継ぎ、地には悪がはびこることとなった。
10 そしてついには彼らの中から悪の元凶、アンティオコス・エピファネスが現れた。彼はアンティオコス王の王子でローマに人質として送られていたが、ギリシア人の王朝の第百三十七年に王として即位した。
11 この間、イスラエルには律法に背く者どもが現れ、「周囲の異邦人と手を結ぼう。彼らと関係を断ってから万事につけ悪いことばかりだから」と、多くの者に説いて回っていた。
12 人々の目にはこれは得策だと映ったので、
13 民の中のある者たちは進んで王のもとに出かけて行き、異邦人の慣習を採用する許可を受けた。
14 こうして彼らは異邦人の流儀に従ってエルサレムに錬成場を建て、
15 割礼の跡を消し、聖なる契約を離れ、異邦人と軛を共にし、悪にその身を引き渡した。
16 アンティオコスは自国シリアに対する支配権が固まったと見ると、エジプトの地を征服して、二つの王国を支配しようと企てた。
17 戦車と象を持つ大部隊と大艦隊を率いてエジプトに攻め入り、
18 エジプト王プトレマイオスに対して戦いを挑んだ。プトレマイオスは背を向けてアンティオコスの前から逃げ出し、多くの者が傷つき倒れた。
19 アンティオコス軍はエジプトの地にある要塞都市を次々に攻め落とし、その地で略奪をほしいままにした。
20 こうしてエジプトを打ち破った彼は、第百四十三年、矛先をイスラエルに転じて大軍と共にエルサレムを目指して上って来た。
21 アンティオコスは不遜にも聖所に入り込み、金の祭壇、燭台とその付属品一切、
22 供えのパンの机、ぶどう酒の献げ物用の壺と杯、金の香炉、垂れ幕、冠を奪い、神殿の正面を飾る金の装飾をすべてはぎ取った。
23 更に金や銀や貴重な祭具類、隠されていた宝をも見つけ出して奪い取った。
24 そしてすべてを略奪すると故国に帰った。彼は人々を殺戮し、高言を吐き続けていた。