アレオパゴスの祈り
アレオパゴスの祈り 2007年5月5日
『パウロ家族の祈り』 p.26「神のみ前にある祈り」
神よ、み前にあることを信じます。
あなたはわたしを顧み、
祈りを聞いてくださいます。
偉大で聖なる主、あなたを礼拝します。
すべてのものを与えてくださった主、
あなたに感謝します。
あわれみ深い主、罪深いわたしをゆるしてください。
いつくしみ深い主、わたしに必要なすべての恵みを与えてください。
聖母マリアにささげられた5月、さわやかな季節を迎えました。5月は春の花が咲き乱れ、造り主である神をたたえているようです。教会の典礼も主イエスの復活を祝う復活節、そして主の昇天、聖霊の降臨と豊かな恵みのときが続きます。
きょうの「アレオパゴスの祈り」では、復活された主の光と愛と希望のよろこびにあふれる全世界の教会と共に主をたたえ、神の母、私たち人類の母である聖母マリアを祝し、聖母に思いをはせながら祈りましょう。
『カトリック聖歌集』 No.351 「さつきのきさきを」 ①②
後ろにローソクを準備しました。私たち一人ひとりの願いとともに、さまざまな苦しみの中にある人々、病人の回復を求めて、ローソクをささげて祈りましょう。
これから朗読される聖書のみことばに心を開き、聖書のメッセージをよく悟ることができるように聖霊を求めて歌いましょう。
『カトリック聖歌集』 No.223 「みたまよ来たりて」 ①②③
朗読:使徒言行録(1章3~5、8~2、14、2章1~3節)
イエスは苦難を受けた後、御自分が生きていることを、数多くの証拠をもって使徒たちに示し、四十日にわたって彼らに現れ、神の国について話された。そして、彼らと食事を共にしていたとき、こう命じられた。「エルサレムを離れず、前にわたしから聞いた、父の約束されたものを待ちなさい。ヨハネは水で洗礼を授けたが、あなたがたは間もなく聖霊による洗礼を授けられるからである。」
あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そして、エルサレムばかりでなく、ユダヤとサマリアの全土で、また、地の果てに至るまで、わたしの証人となる。」こう話し終わると、イエスは彼らが見ているうちに天に上げられたが、雲に覆われて彼らの目から見えなくなった。イエスが離れ去って行かれるとき、彼らは天を見つめていた。すると、白い服を着た二人の人がそばに立って、言った。「ガリラヤの人たち、なぜ天を見上げて立っているのか。あなたがたから離れて天に上げられたイエスは、天に行かれるのをあなたがたが見たのと同じ有様で、またおいでになる。」
使徒たちは、「オリーブ畑」と呼ばれる山からエルサレムに戻って来た。この山はエルサレムに近く、安息日にも歩くことが許される距離の所にある。
彼らは皆、婦人たちやイエスの母マリア、またイエスの兄弟たちと心を合わせて熱心に祈っていた。
五旬祭の日が来て、一同が一つになって集まっていると、突然、激しい風が吹いて来るような音が天から聞こえ、彼らが座っていた家中に響いた。そして、炎のような舌が分かれ分かれに現れ、一人一人の上にとどまった。
今、私たちは復活された主イエスからの喜びと光に包まれて、復活節を恵みのうちに過ごしています。
聖母マリアと復活されたイエスとの出会いは、どんなものだったのでしょう。聖書はそれについて何も語っていません。揺らぐことのない信仰をもっていたマリアには、たぶん、使徒たちや他の女性たちのように復活のしるしは必要ではなかったのかもしれません。復活の朝、遺体に塗るために香料をたずさえる女性たちの中に、マリアの姿はありません。(マルコ16.1~8)イエスは、生きておられると固く信じていたマリアは、死者のうちにイエスを捜すようなことはなさいません。
私たちが、朗読された使徒言行録によって分かるのことは、マリアが聖霊降臨の朝、使徒たちやイエスに従った女性たちと一緒にいたということです。
聖霊の働きのうちに御父の救いの約束が成就し、主の復活の光で輝いている日、マリアは女性たちとともに、使徒たちとともにその中心にいました。その理由は何だったのだしょうか。
大天使ガブリエルからイエスの母になると告げられたとき、マリアは聖霊に覆われました。しかし、今読んだ使徒言行録では「聖霊の火」にとらわれています。教父たちが「聖霊の浄配」と呼んだほど、その生涯を聖霊にすべてゆだねられていたマリアが、その日、どのように聖霊の訪れを受けたかは何も語られていません。
しかし、私たちは何かを知ることはできます。なぜなら、マリアはその日、教会がいまも恩恵を受けているカリスマを受けたのです。マリアは教会のなかで「記憶」となりました。聖霊によって変容されたマリアの思い出はその透明さのうちに、マリアひとりの宝としてではなく教会の宝として使徒たちに伝えられたのです。(ルカ2章)
ルカ福音書の記者がイエスの幼年期の物語を自分なりの仕方で書いたとしても、幼年の福音の中で私たちに与えられているすべては、聖霊降臨の「聖霊の火」にとらえられたマリアの心から来ていることは疑うことができません。そこには人には説明できないものがあります。
それがすべてではありません。聖霊の火にとらえられたマリアは、それ以降、復活された主イエス・キリストのいのちに生かされ、輝くのです。マリアは、イエスの復活を着せられた最初の被造物、聖霊のお働きにご自分のすべてを渡されて生きられたために、そのお体まで神の国が浸透している最初の被造物なのです。
私たち一人ひとりのために、私たち一人ひとりを待っている神の救いと約束が輝いている、この最初の被造物がマリアなのです。マリアは変容された女性、女性のうちに奥深く住まう神の栄光のあらわれです。
参考文献『女であることの恵み』(G・ブラキエール著 女子パウロ会)
(沈黙)
私たちも、復活のキリストによって新しい人に変えられ、神さまの愛の霊が私たちの心を満たしてくださいますように。
使徒の女王マリア
復活のキリストからの救いと恵みを求めているすべての人々のために、マリアに祈りましょう。
『カトリック聖歌集』 No.373 「みさかえの」 ①
主の祈り、聖母マリアへの祈り 5回、栄唱
『カトリック聖歌集』 No.373 「みさかえの」 ②
主の祈り、聖母マリアへの祈り 5回、栄唱
『カトリック聖歌集』 No.373 「みさかえの」 ③
主の祈り、聖母マリアへの祈り 5回、栄唱
『パウロ家族の祈り』 p.214「社会的コミュニケーションのためにする祈り」
神よ、あなたはご自分の愛を人びとに伝えるために、
ひとり子イエス・キリストを地上に遣わし、
人類の道・真理・生命である師としてくださいました。
出版、映画、ラジオ、テレビ、視聴覚、すべてのメディアが
常にあなたの栄光と人びとの善益のために、用いられるようにしてください。
これらの使徒職のために召命をおこし、善意あるすべての人が、
祈りと働きと献金によって貢献するようかれらの心を動かしてください。
教会が、社会的コミュニケーション・メディアによる使徒職をとおして、
すべての人に、福音を宣べ伝えることができますように。
これで、今日の「アレオパゴスの祈り」を終わります。