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アレオパゴスの祈り

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アレオパゴスの祈り 2007年クリスマス


ポインセチア

今年も、救い主キリストの誕生を祝うクリスマスを迎えようとしています。

「光は暗闇の中で輝いている」と新約聖書のヨハネ福音書の初めに語られています。光は闇の中にこそ輝きだします。

人間はだれでも、心の中に闇を抱いているものです。人を、言葉や行いによって傷つけてしまった悔い、挫折感や孤独感など、心の闇は暗くて重たくて悲しいものです。しかし、この闇が深ければ深いほど、「まことの光」はその人の心に輝きを増します。

混沌とした現代世界に生きる一人ひとりの心の奥に、このクリスマスの「まことの光」が輝きますようにご一緒に祈りましょう。

旧約聖書のイザヤの預言を聞きましょう。

闇の中を歩む民は、大いなる光を見、死の陰の地に住む者の上に、光が輝いた。
ひとりのみどりごが、わたしたちのために生まれた。
ひとりの男の子がわたしたちに与えられた。
権威が彼の肩にある。その名は、「驚くべき指導者、力ある神、永遠の父、平和の君」と唱えられる。                (イザヤ 9.1~2、5)

『祈りの歌を風にのせ』p.46 「ひとりのみどりごが」

ルカによる福音書が伝えるイエスの誕生の物語を聞きましょう。

そのころ、皇帝アウグストゥスから全領土の住民に、登録をせよとの勅令が出た。これは、キリニウスがシリア州の総督であったときに行われた最初の住民登録である。人々は皆、登録するためにおのおの自分の町へ旅立った。ヨセフもダビデの家に属し、その血筋であったので、ガリラヤの町ナザレから、ユダヤのベツレヘムというダビデの町へ上って行った。身ごもっていた、いいなずけのマリアと一緒に登録するためである。ところが、彼らがベツレヘムにいるうちに、マリアは月が満ちて、初めての子を産み、布にくるんで飼い葉桶に寝かせた。宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである。

その地方で羊飼いたちが野宿しながら、夜通し羊の群れの番をしていた。すると、主の天使が近づき、主の栄光が周りを照らしたので、彼らは非常に恐れた。天使は言った。「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。」すると突然、この天使に天の大軍が加わり、神を賛美して言った。
「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ。」天使たちが離れて天に去ったとき、羊飼いたちは、「さぁ、ベツレヘムへ行こう。主が知らせてくださったその出来事を見ようではないか」と話し合った。そして急いで行って、マリアとヨセフ、また飼い葉桶に寝かせてある乳飲み子を探し当てた。
                           (ルカ 2.1~17)


イエス

毎年クリスマスになると、世界中の教会やクリスチャンの家では、2000年前のキリストの誕生の場面をかたどった馬小屋を作り、飼い葉おけの中に赤ちゃんの人形を飾って祝います。このような習慣は、いつ、どのようにして生まれたのでしょうか。

今からおよそ800年ほど前、人々がお金や物や権力を追い求め、争いや戦いが絶えまなかったころのこと。イタリアのアッシジに住む大金持ちの息子フランシスコは、財産も名誉も捨てて神様だけに頼って生きる生活を始めていました。やがて、次第に仲間が集まるようになりました。

1223年のクリスマスが近づいたころ、フランシスコは「今年はいつもと違った方法でクリスマスを祝いたい」と思っていました。ちょうどそのとき、フランシスコを尊敬していたジョバンニという人が、「神様をお喜ばせしたいのですが、何をすればいいのでしょうか」と尋ねました。「このグレッチョの森の岩穴の中に、干し草をいっぱい入れた飼い葉おけを置いてください」とフランシスコは答えました。

そのときフランシスコは、聖書に書かれてあるとおりにベトレヘムの馬小屋の様子を再現して、自分たちのために神の御子がどんなに貧しくなられたかを、この目で見たいと思っていたのです。飼い葉おけのそばに牛とロバもいました。

やがてクリスマスの日の真夜中ごろ、羊飼いや農家の人々、職人たちや貧しい人々がジョバンニの準備した岩穴へ集まってきました。彼らは手に手にたいまつやローソクを持ち、神様へのささげ物や、もっと貧しい人々と分かち合う物を携えていました。岩穴の中の飼い葉おけを囲んで、いつものようにクリスマスのミサがささげられました。あの夜、神の御子がベツレヘムの馬小屋においでになったように、今このミサの中でもおいでくださるようにと皆で祈っていたのです。

ミサが進み、聖書朗読が「天には神に栄えあれ、地には人々に平和あれ」というところまできたとき、皆は一瞬、夢を見ているのかと思いました。フランシスコが、飼い葉おけに眠っている美しい、輝くばかりの幼子を抱き上げると、目を覚ました幼子が彼の腕の中でにっこりとほほえんだのです。

その夜の不思議な光景は、人々の口から口へと、野を越え山を越えてたちまちのうちに知れわたりました。このことがあってからは、クリスマスになると、どこの教会でも家庭でも、ベツレヘムの馬小屋に似せて飼い葉おけを作り、その中に幼子イエスの人形を置き、神様がわたしたちにこの上ない贈り物、救い主イエス様をくださったことを祝うのです。

(『クリスマスを楽しく』より抜粋 女子パウロ会編)

『祈りの歌を風にのせ』p.13 「インマヌエル・アーメン」

救い主の誕生を祝い、わたしたちの心にかかるすべての人のことを携えて、ローソクをささげましょう。後ろでローソクを受け取り、馬小屋の前の机の上にローソクを置いて、かごの中のクリスマスハガキをお取ください。そして、イエスさまを囲んで賛美の歌を歌いましょう。

『カトリック聖歌集』No.654 「もろびとこぞりて」①⑤

結びの祈り:
 聖なる父よ、あなたはこの神聖な夜を、まことの光キリストによって照らしてくださいました。やみに輝く光を見たわたしたちが、その喜びを永遠に歌うことができますように。 主イエス・キリストによって。アーメン。

これで今晩のアレオパゴスの祈りを終わります。

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