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アレオパゴスの祈り

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アレオパゴスの祈り 2016年 6月 4日


 菖蒲


6月3日、カトリック教会の典礼では、「イエスのみ心」を祝い、4日は「聖母のみ心」を記念しました。この記念日は1944年にピオ12世教皇によって定められました。マリアの心はいつも神と人に開かれています。天使ガブリエルのお告げを受けたとき、マリアは、救い主イエスの母、神の母となりました。また、イエスが十字架上で、マリアとそのそばにいる弟子のヨハネを見て、「婦人よ、御覧なさい。あなたの子です」とおっしゃったとき、マリアはヨハネをとおして、わたしたち人類を子として受け入れてくださいました。マリアの心には、わたしたち一人ひとりの存在が刻まれています。今日は、聖母マリアの生涯に示された神のいつくしみをたたえながら、ごいっしょに祈りをささげましょう。

わたしたち一人ひとりが心に抱いている意向、祈りを必要としている人々を父である神の御手にゆだねて、しばらく思い起こしましょう。

お祈りしたい意向を心の中にたずさえて、ローソクをささげましょう。

 聖堂


集まったわたしたちが、この祈りの時間をよく過ごすことができますように主の恵みを求めて、歌いましょう。

「道・真理・いのちの主よ」①~③

ルカによる福音書のことばに耳を傾けましょう。(ルカ 1.39~56)

  そのころ、マリアは出かけて、急いで山里に向かい、ユダの町に行った。
  そして、ザカリアの家に入ってエリサベトに挨拶した。

  マリアの挨拶をエリサベトが聞いたとき、その胎内の子がおどった。
  エリサベトは聖霊に満たされて、
  声高らかに言った。

  「あなたは女の中で祝福された方です。胎内のお子さまも祝福されています。
  わたしの主のお母さまがわたしのところに来てくださるとは、どういうわけでしょう。
  あなたの挨拶のお声をわたしが耳にしたとき、胎内の子は喜んでおどりました。
  主がおっしゃったことは必ず実現すると信じた方は、なんと幸いでしょう。」

  そこで、マリアは言った。
  「わたしの魂は主をあがめ、わたしの霊は救い主である神を喜びたたえます。
  身分の低い、この主のはしためにも目を留めてくださったからです。
  今から後、いつの世の人もわたしを幸いな者と言うでしょう、
  力ある方が、わたしに偉大なことをなさいましたから。
  その御名は尊く、その憐れみは代々に限りなく、主を畏れる者に及びます。

  主はその腕で力を振るい、思い上がる者を打ち散らし、
  権力ある者をその座から引き降ろし、身分の低い者を高く上げ、
  飢えた人を良いもので満たし、富める者を空腹のまま追い返されます。

  その僕イスラエルを受け入れて、憐れみをお忘れになりません、
  わたしたちの先祖におっしゃったとおり、アブラハムとその子孫に対してとこしえに。」

  マリアは、三か月ほどエリサベトのところに滞在してから、
  自分の家に帰った。

『いつくしみの特別聖年公布の大勅書』No.24番から、教皇フランシスコのことばを聞きましょう。
わたしたちの思いをいつくしみの母に向けましょう。この特別聖年の間、その優しいまなざしをもって、わたしたちに寄り添ってくださいますように。そうしてわたしたち皆が、神が柔和でおられることの喜びを新たに見いだせますように。マリアほど、人となられた神の深い神秘を知っている人はいません。その全生涯は、受肉したいつくしみの存在で形づくられました。十字架につけられ復活した方の母は、神の愛の神秘に深くあずかることで、神のいつくしみの聖域に入られたのです。
 神の子の母となるために選ばれたマリアは、神と人との間の契約の櫃となるために、御父の愛によって初めのときから準備されてきました。マリアは、御子イエスとの完全な調和をもって、心に神のいつくしみを守っていました。エリサベトの家の戸口で歌ったマリアの賛歌は、「代々に限りなく」(ルカ1.50)及ぶいつくしみに向けられたものです。おとめマリアのこの預言的なことばの中には、わたしたち自身の姿も示されていました。それは、神のいつくしみの実りを味わうために聖なる門をくぐる際、わたしたちを慰め励ますことでしょう。

マリアはエリザベトを訪問したとき、救い主の誕生をとおして人々に与えられた、神のいつくしみをたたえました。わたしは、今日、この一週間、神のいつくしみをどんな形で体験したでしょうか。わたしの生活の中で、神が表してくださったいつくしみを思い起こしながら、しばらく沈黙のうちに祈りましょう。

父である神が、わたしに示してくださった愛といつくしみに感謝して、祈りましょう。『パウロ家族の祈り』p.319、第二項の最後の一行から、ごいっしょに唱えましょう。

大勅書No.24の中で、教皇様は続けて次のようにおっしゃっています。

十字架の傍らでマリアは、愛する弟子ヨハネとともに、イエスが口にしたゆるしのことばの証人となりました。イエスを十字架につけた者たちに与えられた究極のゆるしは、神のいつくしみはいかに果てのないものであるかをわたしたちに教えます。マリアは、神の子のいつくしみが限りなく、例外なくだれもがこれにあずかることを証言しています。マリアがたゆむことなく、わたしたちにいつくしみのまなざしを注いでくださいますように。いつくしみのみ顔である御子イエスを観想するにふさわしいものとしてくださいますように。

いつくしみ深いマリアのまなざしのもと、わたしのことば、行いを沈黙のうちにふり返ってみましょう。

(沈黙)

主の恵みに感謝し、自分の至らなさ、弱さを思い、日々よく生きる恵みを願って祈りましょう。

 使徒の女王マリア
使徒の女王マリアの像


『パウロ家族の祈り』p.275「使徒の女王への祈り」
  いつくしみ深いイエス、
  マリアを母として与えてくださったあなたに感謝します。
  マリアよ、道・真理・いのちである師イエスを人類に与え、
  ゴルゴタで人類を子として受け入れてくださったあなたに感謝します。
  あなたの使命は、
  「失われた者を探しに来られた」イエスの使命に結ばれています。
  御母よ、
  罪と背きと怠りの重荷を負うわたしは、希望であるあなたに逃れます。
  いつくしみの目をわたしに注ぎ、母であるあなたの配慮を示してください。
  わたしはすべてを、
  特に罪のゆるしと、回心と聖性のすべての恵みをあなたに期待します。
  恵みを退け、罪を重ねている不幸な人びとをみもとに集め、
  その中にわたしを加えて、より深いあわれみを注いでください。
  偉大な奇跡によって、罪深いわたしを使徒に変えてください。
  それはかつてない不思議、
  御子イエスとあなたにとって、新しい栄光です。
  使徒たちの師、女王であるマリア、
  あなたのみ心からすべてを期待します。アーメン。

「使徒の女王マリア」①~④

この祈りの時間にいただいた恵みを沈黙のうちに感謝しましょう。

(沈黙)

祈りましょう。

いつくしみ深い神よ、あなたは尊いおとめマリアの心を聖霊が宿るふさわしい住まいとして、準備なさいました。聖母の取り次ぎによって、あなたを信じるわたしたちがあなたの栄光を現す生きた神殿となりますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

父と子と聖霊のみ名によって。アーメン。

これで今晩の「アレオパゴスの祈り」を終わります。



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