アレオパゴスの祈り
アレオパゴスの祈り 2017年 6月 3日
6月になりました。教会は、この月をイエスのみ心にささげて過ごします。人びとから親しまれているイエスのみ心に対する信心は、1673年、訪問会の修道女であった聖マルガリタ・マリア・アラコクにイエスご自身が現れ、この信心を広めるようにおっしゃったことから由来しています。イエスはヨハネ福音書の中で、次のようにおっしゃっています。「わたしをお遣わしになった方は、わたしと共にいてくださる。わたしをひとりにしてはおかれない。わたしは、いつもこの方のみ心に適うことを行うからである。」(ヨハネ8.29)イエスはいつも御父とともにいて、父のみ心を求めておられたことが分かります。今年は「主の祈り」をテーマに祈っています。3番目の祈りである、「み心が天に行われるとおり地にも行われますように」の部分をごいっしょに祈ってまいりましょう。
御聖体のうちにおられる主のみ前で過ごすこの時間、わたしは特にどんな恵みを願いたいでしょうか。また、祈りを必要としている人びとを父である神のみ手にゆだねて、しばらく思い起こしましょう。
(沈黙)
お祈りしたい意向を主のみ前に差し出して、ローソクをささげましょう。
聖書のことばを聞く前に、この祈りの時をよく過ごすことができますようにと願って、歌いましょう。
「聖なる霊よ、愛の火を」(2回くり返す)
ヨハネによる福音書のことばに耳を傾けましょう。(ヨハネ6.37~40)
そのとき、イエスはユダヤ人たちに仰せになった。「父がわたしにお与えになる人は皆、わたしのところに来る。わたしのもとに来る人を、わたしは決して追い出さない。 わたしが天から降って来たのは、自分の意志を行うためではなく、わたしをお遣わしになった方のみ心を行うためである。 わたしをお遣わしになった方のみ心とは、わたしに与えてくださった人をひとりも失わないで、終わりの日に復活させることである。 わたしの父のみ心は、子を見て信じる者が皆永遠のいのちを得ることであり、わたしがその人を終わりの日に復活させることだからである。
(沈黙)
わたしたちが、「天」ということばを聞くとき、目に見えるのは、太陽、空、そして夜に輝く月と星です。しかし、「天」には、地上からは目では見ることができない場所があります。御父とイエス、そして亡くなったわたしたちの家族、知人をはじめ、すべての聖人が住んでいる場所です。「主の祈り」では、「み心が天に行われるとおり地にも行われますように」と祈ります。御父がおられるところ、それは天の国です。しかし、御父はわたしたちが死んでから入る天の国だけにおられるのではありません。
御父はどこにでもおられます。それに気づくか否かは、わたしたち次第です。御父はわたしたちの心の中に住んでおられます。神はわたしたちの頭の知識では想像できないほど、偉大な方です。しかし、わたしたちの心に住むために、小さくなることさえおできになる方です。イエスもわたしたちと共にいるために、見て触れることのできるご聖体を制定し、ご自分の体でわたしたちを養おうとお望みになりました。
もし、わたしたちが自分の心に住んでくださっている御父の存在に心を向けるならば、御父が何を望んでおられるか、何をわたしに語ろうとしておられるかが、少しずつ分かってくるでしょう。御父のみ心を行うとは、いつも愛、あわれみ、真理、正しいことを求めることです。そのことを心に留めながら、今日一日、どのように過ごしたかを思い起こし、しばらく沈黙のうちに祈りましょう。
(沈黙)
今日いただいた恵みに感謝し、また御父のみ心に適わなかったことがあれば、ゆるしを願って祈りましょう。
『パウロ家族の祈り』p.93
神よ、あなたを礼拝し、心を尽くして愛します。
わたしを造り、キリスト者とし、
きょうも守ってくださった恵みに感謝します。
きょう犯したわたしの過ちをゆるし、行った善を受け入れてください。
眠っている間もわたしを守り、危険から救ってください。
あなたの恵みが、常に、わたしと、
わたしの愛するすべての人の上にありますように。アーメン。
復活したイエス(モザイク:Fr.ルプニック)
6月3日、教会は聖霊降臨の祭日を祝います。ヨハネ福音書の中で、イエスは聖霊について、次のように語っています。
ヨハネによる福音(15.26、16.12-14)
わたしが父のもとからあなたがたに遣わそうとしている弁護者、すなわち、父のもとから出る真理の霊が来るとき、その方がわたしについて証しをなさるはずである。
言っておきたいことは、まだたくさんあるが、今、あなたがたには理解できない。しかし、その方、すなわち、真理の霊が来ると、あなたがたを導いて真理をことごとく悟らせる。その方は、自分から語るのではなく、聞いたことを語り、また、これから起こることをあなたがたに告げるからである。 その方はわたしに栄光を与える。わたしのものを受けて、あなたがたに告げるからである。
御父のみ心は、すべての人が救われることです。そのために、イエスはこの世にお出でになり、御父のみ旨を果たされました。主は復活し、御父のもとに昇られてから、聖霊を送ることを約束してくださいました。弟子たちはそれまで、人間となられたイエスのそばにいて、何でも教えてもらっていました。しかし、イエスが昇天されたことによって、その姿が見えなくなっても、復活したイエスが共におられること、また弁護者である聖霊が御父のみ心、イエスの望まれることは何か教えてくださると、イエスは弟子たちにおっしゃいました。聖母マリアはこの聖霊降臨の約束を心に留め、弟子たちと共に祈り、聖霊を待ち望みました。「み心が天に行われるとおり地にも行われますように」と願いながら、わたしたちも聖霊に満たされて、御父のみ旨を行うことができますように、しばらく沈黙のうちに祈りましょう。
わたしたちも、神の国がこの地上に実現していくための道具となることができますように、聖母マリアの取り次ぎを求めて、祈りましょう。
『パウロ家族の祈り』p.218
清いおとめ、殉教者の女王、明けの星、罪びとのよりどころであるマリア、
高間で過ごされた日々を思い起こしてください。
聖なる慰め主、恵みの与え主、御父と御子の愛、
使徒たちを新しい人に変える聖霊を祈り求めるために、
あなたは使徒たちを導き励ます母でした。
神の御心を動かすあなたの謙遜で力強い祈りをもって、
イエス・キリストが尊い血により、
永遠の滅びから救われた人びとのいのちの尊さを、
深く悟る恵みをわたしたちのために求めてください。
一人ひとりの心が、使徒職の魅力にとらえられ、
キリストの愛に駆り立てられて、
人類の霊的悲惨に深く心を動かすことができますように。
青少年、壮年、老年層の必要を心に感じさせてください。
広大なアフリカ、果てしないアジア、
将来性に富むオセアニア、
苦悩するヨーロッパ、南北アメリカの状態が、
わたしたちの心に強く訴えますように。
証しと言葉、祈りと出版、映画、ラジオ、テレビなどによる使徒職、
死後 清めの状態にある人びとのための使徒職に、
惜しみなく犠牲をはらう多くの寛大な人びとを引き寄せてください。
教会の母、使徒の女王、わたしたちの弁護者マリア、
この涙の谷から、あなたに嘆願します。
使徒の女王聖マリア、わたしたちのために祈ってください。
主が教えてくださった主の祈りをごいっしょに唱えましょう。
天におられる・・・
いただいた恵みに感謝し、聖母にささげられたこの月をよく過ごすことができますようにと願って歌いましょう。
「クレド・ドミネ(主よ、わたしは信じます)」⑤、⑥
祈りましょう。
神よ、あなたは、高間でイエスの母マリアとともに祈る使徒たちに、聖霊をお遣わしになりました。おとめマリアの取り次ぎを願うわたしたちに、あなたへの奉仕に身をささげ、ことばと模範をもってあなたの愛の偉大なわざを告げ知らせる恵みをお与えください。
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。
父と子と聖霊のみ名によって。アーメン。
これで今晩の「アレオパゴスの祈り」を終わります。
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