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アレオパゴスの祈り

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アレオパゴスの祈り 2017年 7月 1日


 あじさい


7月になり、早いもので一年の半分が過ぎました。今年は「主の祈り」をテーマに祈っています。今日この祈りの後半部分に当たりる、「わたしたちの日ごとの糧を今日も お与えください」の部分をごいっしょに祈ってまいりましょう。

御聖体のうちにおられる主のみ前で過ごすこの時間、わたしは特にどんな恵みを願いたいでしょうか。また、祈りを必要としている人々を父である神の御手にゆだねて、しばらく思い起こしましょう。

(沈黙)

お祈りしたい意向を主のみ前に差し出して、ローソクをささげましょう。

聖書のことばを聞く前に、この祈りの時をよく過ごすことができますようにと願って、歌いましょう。

『平和を祈ろう』 No.21 「主よ あなたの道を」① ④

出エジプト記のことばに耳を傾けましょう。(出エジプト16.1~4、13~21、31、35)

イスラエルの人々の共同体全体はエリムを出発し、エリムとシナイとの間にあるシンの荒れ野に向かった。それはエジプトの国を出た年の第二の月の十五日であった。 荒れ野に入ると、イスラエルの人々の共同体全体はモーセとアロンに向かって不平を述べ立てた。 イスラエルの人々は彼らに言った。
 「我々はエジプトの国で、主の手にかかって、死んだ方がましだった。あのときは肉のたくさん入った鍋の前に座り、パンを腹いっぱい食べられたのに。あなたたちは我々をこの荒れ野に連れ出し、この全会衆を飢え死にさせようとしている。」
 主はモーセに言われた。「見よ、わたしはあなたたちのために、天からパンを降らせる。民は出て行って、毎日必要な分だけ集める。わたしは、彼らがわたしの指示どおりにするかどうかを試す」。
 夕方になると、うずらが飛んで来て、宿営を覆い、朝には宿営の周りに露が降りた。 この降りた露が蒸発すると、見よ、荒れ野の地表を覆って薄くて壊れやすいものが大地の霜のように薄く残っていた。 イスラエルの人々はそれを見て、これは一体何だろうと、口々に言った。彼らはそれが何であるか知らなかったからである。モーセは彼らに言った。
 「これこそ、主があなたたちに食物として与えられたパンである。 主が命じられたことは次のことである。『あなたたちはそれぞれ必要な分、つまり一人当たり一オメルを集めよ。それぞれ自分の天幕にいる家族の数に応じて取るがよい。』」
 イスラエルの人々はそのとおりにした。ある者は多く集め、ある者は少なく集めた。 しかし、オメル升で量ってみると、多く集めた者も余ることなく、少なく集めた者も足りないことなく、それぞれが必要な分を集めた。 モーセは彼らに、「だれもそれを、翌朝まで残しておいてはならない」と言ったが、 彼らはモーセに聞き従わず、何人かはその一部を翌朝まで残しておいた。虫が付いて臭くなったので、モーセは彼らに向かって怒った。そこで、彼らは朝ごとにそれぞれ必要な分を集めた。日が高くなると、それは溶けてしまった。
 イスラエルの家では、それをマナと名付けた。それは、コエンドロの種に似て白く、蜜の入ったウェファースのような味がした。
 イスラエルの人々は、人の住んでいる土地に着くまで四十年にわたってこのマナを食べた。すなわち、カナン地方の境に到着するまで彼らはこのマナを食べた。

(沈黙)

出エジプト記に登場するイスラエルの民は、エリムという場所にやって来ました。約一ヵ月前にエジプトを出発し、荒れ野を旅していた人々はちょうど空腹だったのでしょう。だれでも、「おいしいもので、おなかを満たしたい」と思うものです。自由の身となっても、奴隷であったころに食べていたおいしいものが忘れられず、モーセとアロンに向かって不平を言い始めました。そんな彼らのために、神は天からのパンをお与えになります。しかし、それはその日一日、必要な分しか与えられませんでした。欲を張って、多く集めると、翌朝、虫が付いて臭くなっていました。とてもシンボリックです。

荒れ野での旅は、40年続きました。しかし、神様は敢えて、その日、必要な糧しかお与えになりませんでした。それを毎日毎日くり返しながら、イスラエルの人々は、長い年月をかけて、約束の地へと導かれました。「わたしたちの日ごとの糧を今日も お与えください」という祈りを思い起こしながら、しばらく沈黙のうちに祈りましょう。

(沈黙)

日々、わたしたちを養ってくださる天の御父に感謝し、必要な恵みを求めて祈りましょう。
『パウロ家族の祈り』p.26
   神よ、み前にあることを信じます。
   あなたはわたしを顧み、祈りを聞いてくださいます。
   偉大で聖なる主、あなたを礼拝します。
   すべてのものを与えてくださった主、あなたに感謝します。
   あわれみ深い主、罪深いわたしをゆるしてください。
   いつくしみ深い主、わたしに必要なすべての恵みを与えてください。

 花


「わたしたちの日ごとの糧を今日も お与えください」。人はだれでも、食べていかなければ、生きていくことはできません。しかし、それはすべての人にその糧が与えられている訳ではないのが現状です。国連の今年の調査によると、現在、栄養不良の状態にある人々が、世界で約7億9500万人います。これは、世界の9人に1人が、健康で活動的な暮らしを営むための十分な食糧を得ることができない状態にあるということです。サハラ砂漠以南のアフリカでは、およそ4人に1人が慢性的な飢餓に陥っており、世界で最も人口の多いアジアもまた、5億1200万人という、多数の飢餓人口を抱えています。しかし、飢餓は実に解決可能な問題です。世界には、すべての人に十分な食糧があります。特に科学技術の大発見などがなくても、すでに今日ある知識や方法、政策、そして政治的な意思があれば飢餓問題は解決できるのです。

一方、日本では、一億総中流と叫ばれていた時代は終焉を迎え、今や労働者の3人に1人は非正規雇用者という状況にあります。終身雇用は保障されず、賃金も正社員より低く抑えられ、福利厚生も限られているため、将来設計どころか、働けど先の生活すら見通せない貧困問題が日本社会に拡大しています。日本で問題視されている貧困問題は、「相対的貧困」と呼ばれ、その割合は16.1%と、実に6人に1人が相対的貧困にあえいでいる状況です。

世界で、日本で苦しんでいる人々を心に留めながら、み摂理の聖人としてたたえられている聖ヨセフの取り次ぎを願って祈りましょう。
『パウロ家族の祈り』p.195
   聖ヨセフ、
   あなたを勤労者の模範、貧しい人の友、苦しむ人と移住者の慰め手、
   み摂理の聖人としてあがめます。
   あなたは、この世で、天の父の善良さとその配慮を、身をもって示し、
   また、ナザレの職人として、貧しい労働者となられた神の子のために、
   労働の師となられました。
   あなたの祈りをもって、知的、精神的、
   肉体的労働に労苦する人びとを助け、
   世界の国々が、福音に照らされた法律、キリストの愛の精神、
   正義と平和にふさわしい秩序を得られるようにしてください。

   聖ヨセフ、わたしたちのために祈ってください。

主が教えてくださった主の祈りをごいっしょに唱えましょう。
   天におられる・・・

いただいた恵みに感謝し、今日から始まったこの月をよく過ごすことができますようにと願って歌いましょう。

『平和を祈ろう』 No.62「緑の牧場に」① ③

祈りましょう。
神よ、あなたは、わたしたち一人ひとりを愛し、お造りになりました。わたしたちに日々の糧を与え、養ってくださることを感謝いたします。世界で、日本で必要なものに事欠く人々にあわれみの目を注ぎ、恵みをお与えください。わたしたちが、兄弟である彼らのために祈り、何らかの形で助けていくことができますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

父と子と聖霊のみ名によって。アーメン。

これで今晩の「アレオパゴスの祈り」を終わります。



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