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私の薦めるこの一冊
「聖人たちの養い手」聖ベネディクト
- ~教皇ヨハネ・パウロ二世使徒的書簡~
- 監修・解説:高橋重幸
- 訳:トラピスト修道院
- 定価:本体900円+税
- 四六判 並製 100ページ
- ISBN978-4-902211-20-7 C0016
- 発行:教友社
本書は、タイトルからわかるように、聖ベネディクトの生誕1500年にあたる、1980年、聖ベネディクトの祝日である7月11日に、彼の戒律を生きている修道院の院長たちにあてて出されたものです。
聖ベネディクトの戒律によって修道生活をしている会としては、日本ではトラピスト、トラピスチンと呼ばれている「厳律シトー会」が有名ですが、本書は単に、これらの人々だけでなく、大勢の信徒にも役立つ書となっています。
まず、聖人の生涯が紹介されており、次に「隠世修道院生活の基本的要素」、「何ものもキリストの愛に優先させてはならない」、「祈り」、「権威の行使」と展開されています。
こうして見出し項目を挙げると、堅い文章のように思えますが、これが教皇様の文章かと驚くくらいにやさしく、分かりやすく書かれています。たぶんこれは、訳者である高橋重幸師の力量のよるところ大なのでしょう。
本書の後ろ約半分が、高橋重幸師の解説文になっています。修道生活の歴史、聖ベネディクトの戒律などの説明が解説されていることにより、さらに教皇ヨハネ・パウロ2世の書簡が親しみ深くなっています。
読者は、この薄い本の中に、大切な宝が秘められているように感じることでしょう。