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私の薦めるこの一冊
1500年の知恵 ~聖ベネディクト入門~
- 著者:ブライアン・C・テーラー
- 訳:聖ベネディクト女子修道院
- 監修:古田暁
- 定価:本体800円+税
- 四六判 並製 144ページ
- ISBN978-4-88626-441-1 C0016
- 発行:ドン・ボスコ社
現代ほど、キリスト教について、根本的なことが求められている時代はないように思います。キリスト教霊性についての本が次々に出されるのも、1つの現れでしょう。
聖ベネディクト(480年~547年ごろ)は、西方修道院の父と呼ばれる聖人で、529年ごろに、イタリアのモンテカッシーノに共住型修道院を建て、「ベネディクトの会則」を書きました。
以来、彼の書いたこの「会則」は、その後の修道会の会則に影響を与えただけにとどまらず、「会則」に基づいたキリスト教霊性によって、キリスト教生活が豊かにされてきたのです。
本書は、非常にユニークです。まず、著者がアメリカのプロテスタントの牧師です。
その上、彼が、自分の多忙な司牧生活、妻や子どもたちとの人間関係を生きる中で、「日常を生きる霊性」としての「ベネディクトの会則」を発見したのです。
彼は「まえがき」で、読者に次のように願っています。
6世紀に与えられたメッセージは、今日も人類に語り続けています。現代の生活に関連した諸問題も思慮深くとりあげられていて、それに対し実践的な助言が与えられています。わたしの心からの希望は、人々がベネディクトの精神とベネディクトの説く生き方を通して、その日々の生活を省み、そこに挑戦を見いだすことです。
ベネディクトの時代背景を理解し、現代に当てはめ、イエス・キリストと一致して、自分の日常生活を深い霊性で生きるヒントに満ちています。
最後につけられている補遺は、多くの信徒に特に役立つことでしょう。
監修を『聖ベネディクトの戒律』の訳者として著名な古田暁氏が担当しているのも、本書のユニークな点です。