私の薦めるこの一冊
バチカン ~ローマ法王庁は、いま~
- 著者:郷富佐子
- 定価:740円+税
- 新書版 並製 238ページ
- ISBN978-4-00-431098-3 C0216
- 発行:岩波書店
カトリック信者にとり、「バチカン」という言葉は、耳に親しい響きで聞こえます。しかし、世界史などでしか知らない人にとっては、「世界でいちばん小さな独立国」としてよく知られているのではないでしょうか。
本書は、この「バチカン」について、教皇ヨハネ・パウロ2世の逝去からコンクラーベ、教皇ベネディクト16世の就任、そしてその後、「激動」という言葉がふさわしい時に、朝日新聞のローマ支局長として、日本の読者にバチカン関係の記事を送り続けていた著者が、著したものです。
これまでも「バチカン」について書かれた本はたくさん出版されていますが、本書はジャーナリストの視線でバチカン、カトリック教会を眺め、日本やイタリア、その他の国の事情とあわせて描かれています。
第5章の「イタリアの中のバチカン-暮らし、政治、宗教」、そして終章の「教会はどこに向かうのか」は、イタリアで暮らし、取材した人にしか書けない内容なので、多くの読者の興味を引くのではないでしょうか。
最新のバチカンの動きも含め、バチカンに関する手軽な本として楽しんで読める本になっています。