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私の薦めるこの一冊
愛と悔悛の記憶
- 著者:川中なほ子
- 定価:本体1,900円+税
- 四六判 上製 238ページ
- SBN978-4-902211-29-0 C3016
- 発行:教友社
著者は、2006年、肺炎にかかり、その病の床で「記憶」についての大きな光をいただきました。その中から、思索を深め、著したものが本書です。
著者は、長年、キリスト教大学で、女性学、英文学、宗教哲学を教え、現在も上野学園で教鞭をとるかたわら、「日本ニューマン協会」の会長も務める、カトリック教会の女性知識人の代表的な方です。
記憶ということから、著者は、キリスト教の歴史の根本に行き着きました。そのことについて、次のように書いています。
「キリスト教会は、イエス・キリストの救いの特別な記憶に生きる想起の共同体」です。この中心に、キリストが制定された「感謝の祭儀」(ミサ)があります。これが、「連綿と繰り返され、引き継がれて」きました。救いの歴史の記憶です。
感謝の祭儀の中で、主を記憶し、罪をゆるされるいやしの体験が、人間を心の底から突き動かすものです。
この観点から、著者は自分の生涯を振り返り、そこで、出会った人々のことなどを、「永遠の愛」に向かって、主への感謝と悔悛を記憶していこうと書きとめたものです。
本書は、著者のキリスト教観の集大成ともいえます。