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徳の飾りよりも トマス金鍔次兵衛物語

『徳の飾りよりも トマス金鍔次兵衛物語』表紙

  • 著者:宗任雅子
  • 定価:本体700円+税
  • 新書版 並製  220ページ
  • ISBN978-4-88626-477-0  C0016
  • 発行:ドン・ボスコ社

本書を読んで、まず感じたことは、日本文芸家協会会員である著者によって、昨年、長崎で列福された188人の殉教者の1人トマス金鍔次兵衛が、今よみがえって私たちの前に現れた、ということでした。

迫害の嵐が吹き始め、26聖人が長崎・西坂で殉教を遂げたのち、本書の主人公である次兵衛は、現在の長崎県大村市で誕生しました。

本書に「物語」と付いているように、次兵衛少年がキリシタンである両親と、長崎弁で語っています。
しかし、単なる物語に終わらず、キリシタン禁制当時の時代背景などが生き生きと描かれています。新書版で読みやすく、福者に挙げられた司祭を知ることは、読者に多くの感慨を起こさせることでしょう。

有馬のイエズス会セミナリオに入学した後、迫害が厳しくなり、マカオのセミナリオに、他の神学生たちと共に派遣されました。しかし、日本人対象のセミナリオ閉鎖に伴い、次兵衛は長崎に戻りました。そこで聞いたのは、自分の両親の殉教ということでした。

イエズス会では司祭になる希望がないと知った20歳の彼は、マニラに渡り、アウグスチノ会司祭として、1628年叙階され、1631年に日本に帰国した後の次兵衛神父の活躍はめざましいものがありました。

長崎奉行所の雑兵として、働きながら、牢に入れられている司祭を力づけた話はあまりにも有名です。
彼はキリシタンたちを助けたいと、知恵を尽くし、変装し、司牧のために尽力しました。

しかし、密告により逮捕され、1637年11月6日、穴吊りの刑を受け、殉教の栄誉を受けたのでした。

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