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私の薦めるこの一冊
聖フィリッポ・ネリ～喜びの預言者～
- 著者：柳沼千賀子
- 定価：本体800円＋税
- 新書判 並製 202ページ
- ISBN978-4-88626-498-5 C0216
- 発行：ドン・ボスコ社
本書は、聖フィリッポ・ネリの伝記です。
1515年7月21日、フィレンツェに誕生し、1595年5月26日に帰天した、フィリッポ・ネリの伝記を中心に、ネリの言葉、彼を取り巻く人びと、ネリの思いを継いでいる人びとが簡単に紹介されています。
いろいろな聖人のエピソードなどについて話を聞くたびに、フィリッポ・ネリのユーモアあふれる行動や話が必ずありましたが、残念なことに、これまで、彼のことをもっと知りたいと思っても、くわしい伝記はありませんでした。今回、本書が出版されたことにより、多くの人がフィリッポ・ネリの魅力あふれる人柄に心打たれることでしょう。
フィリッポ・ネリは、祈りの会や巡礼などで、歌が非常に大きな力をもっていることをよく知っていました。そこで、彼は、自分のところに霊的指導を受けに来ていたパレストリーナに、みんなが簡単に歌える曲を依頼しました。パレストリーナは、ネリの望みに応え、次々に作曲していきましたが、それが１つの音楽ジャンルとなった「オラトリオ」です。
音楽好きな読者の方には、興味深いエピソードでしょう。
フィリッポ・ネリは、自分の使命を確信するまでには、苦しい歩みがありましたが、彼は3冊の本との出会い、さらに、自身では「聖霊降臨」と表現していた主からの恵みの経験によって、自分に与えられた使命を確信し、「オラトリオ会」を創立しました。
宗教改革の時代、混乱している文化的状況の中にあって、若者たちに希望を与え、多くの人を神の道に導いた偉大な聖人ですが、親しみあふれる聖人でもありました。
現代の日本の人びとの心にも、彼は多くのことを語ってくれることでしょう。