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私の薦めるこの一冊
イタリア古寺巡礼 ミラノ→ヴェネツィア
- 著者:金沢百枝、小澤実
- 定価:本体1,700円+税
- A5判 並製 159ページ
- ISBN978-4-10-602207-4 C0326
- 発行:新潮社
本書は、中世ヨーロッパの教会をめぐる「古寺巡礼」シリーズの第1弾として、新潮社の「とんぼの本」の1冊として刊行されたものです。
ここに紹介され、解説されているものはすべて、美術館ではお目にかかれない、現地に足を運び、残されている中世ヨーロッパの教会の建築、彫刻、壁画などを見ることによってしか鑑賞できないものです。その意味で、今回フルカラーで編集されている本書は、キリスト教美術に関心ある読者には、貴重なものといえましょう。
著者である金沢百枝さんは、美術史家であり、東海大学准教授。もう1人の小澤実さんは、歴史家であり、名古屋大学大学院の研究員。
美術と歴史の両面から、中世について、美術作品について、2人の著者の専門分野から興味深く解説されているのですが、同時に読み物として楽しめるものになっています。
今回は、ミラノからヴェネツィアまでの12の都市や町に残されている、ロマネスク美術が魅力的に紹介されています。
聖堂内部や、彫刻、フレスコ画などが興味深いのはいうにおよばず、中に散りばめられている「美術の中の物語」や「中世イタリア事件史」などもおもしろい読み物となっています。