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私の薦めるこの一冊
回勅 真理に根ざした愛
- 著者:教皇ベネディクト16世
- 訳者:マイケル・シーゲル
- 定価:本体1,000円+税
- 四六判 上製 160ページ
- ISBN978-4-87750-160-0 C0016
- 発行:カトリック中央協議会
本書は、教皇ベネディクト16世による初の社会回勅です。
これまで、社会回勅の代表的なものは、どちらかといえば、レオ13世の出された回勅『レールム・ノヴァルム』が中心的存在でした。ですから、いろいろな社会回勅は、『レールム・ノヴァルム』との関連で発布されました。たとえば……
40周年に、ピオ11世が『クアドラジェジモ・アンノ』
70周年に、ヨハネ23世が『マーテル・エト・マジストラ』
80周年に、パウロ6世が『オクトジェジマ・アドヴェニエンス』
90周年に、ヨハネ・パウロ2世が『働くことについて』
100周年に、ヨハネ・パウロ2世が『新しい課題』
しかし、本書において、ベネディクト16世は、1967年にパウロ6世教皇によって発布された『ポプロールム・プログレシオ』が、『レールム・ノヴァルム』に取って代わる社会回勅だとの見解をはっきり示されました。
1967年にパウロ6世教皇によって発布された『ポプロールム。プログレシオ』は、ヨハネ・パウロ2世が20周年を記念して出された回勅『真の開発とは』が示しているように、本回勅も、「開発」「発展」をテーマにしたものです。
本書には、本物の発展、開発は、人間不在の技術や科学、財の蓄積だけを目的としたものではないことが、はっきりと述べられています。
人間の全人的発展は、人間の本姓的な使命であること、そして、そのような発展のためには、神が必要なことは、必須です。
このためには、真理に根ざした愛が必要なのです。『ポプロールム・プログレシオ』の40周年を記念して出されたこの回勅が、社会を動かしている人びとに、そして私たちに、真理に根ざした愛の重要さを訴えています。