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私の薦めるこの一冊
論集~典礼と秘跡~
- 著者:具 正謨
- 定価:本体2,200円+税
- A5判 並製 312ページ
- ISBN978-4-902211-77-1 C3016
- 発行:教友社
本書は、典礼神学、秘跡神学の専門家である著者が、2002年から2011年の10年間の成果である12の論文や講演記録を1にまとめたもので、内容は4部に分けられています。
第1部の「秘跡と教会」では、第1章に秘跡論の歴史的経緯を述べ、次に、ヨハネ・パウロ2世の回勅『教会に命を与える聖体』について、順序を追って解説し、現代人に聖体についての信仰理解を深めさせる時宜を得た文書であると評価しています。
第3章は、信徒の方々から出された秘跡についての質問に回答するもので、実際的です。
「ミサのときに、ゆるしの秘跡を受けて聖体拝領するようにと教えられたが、それは変わったのか」という質問、また「教会の掟はなくなったのか」という質問、「なぜ、洗礼は復活祭にさずけられるのか」という問いに答えたもので、司牧者にも、信徒にも興味あるところです。
第4章は「み心の信心」について、歴史を踏まえて述べられています。
第2部の1、2章は共に、新約聖書の中に現れている聖餐について取り上げている専門的論文です。
第3部は、「典礼神学」の部で、典礼の歴史や過越の聖なる3日間について、『エゲリアの巡礼記』などが取り上げられています。
第4部「文化と霊性」では、インカルチュレイションの3つの試みの論文が掲載されています。この論文を読みながら、ここに取り上げられている韓国の文学作品を読んでいないことを残念に思いました。
典礼、秘跡について関心のある人、司牧者、要理教育者にとっては、本書は関心あるでしょう。