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私の薦めるこの一冊
新版 キリシタン伝説百話
- 著者:谷 真介
- 定価:本体2,200円+税
- B6判 上製 358ページ
- ISBN978-4-7877-6327-3 C1039
- 発行:梟社
児童文学者である著者が、キリシタン伝説の専門家とよばれるようになったきっかけは、実は、女子パウロ会から1977年(昭和52年)の春に出版された、『フランシスコ・ザビエル』を書くために、取材をなさったのがきっかけだったと、うかがったことがありました。
本書の最初に「キリシタン伝説略史」が収められていますが、その初めに、同様のことが述べられていました。
この略史は、キリシタン伝説を知る上で、非常に貴重な文献です。
まず、著者が日本全国を回り、キリシタンの伝説を収録していったその実りを、キリシタン史に沿って、「許教時代」「弾圧時代」「禁教時代」に分け、分類して紹介しています。
第1部の「許教時代」は、1549年~1613年まで。
この時代の伝説の多くは、宗教色が強い奇跡物語や救いに関する話などが多く含まれているのが特徴です。本書には、31話が収められています。
第2部の「弾圧時代」は、1613年~1641年まで。
この時代は、口伝によって伝えられていた信仰が、土着の信仰と混じり合ったものとなったり、殉教者が神とあがめられている伝説もあります。本書には、32話~68話まで挿話されています。
第3部の「禁教時代」は、1642年~1873年まで。
この時代は、潜伏した宣教師たちが、あたかも、生きていて不思議な魔術をするというような伝説が生まれています。本書には、60話~110話まで収録されています。
本書のキリシタンの伝説によって、キリシタン史を知る上にも、非常に役立つものであることがよくわかります。