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私の薦めるこの一冊
教皇フランシスコ~12億の信徒を率いる神父の素顔~
- 著者:マリオ・エスコバル
- 訳者:八重樫克彦、八重樫由貴子
- 定価:本体1,400円+税
- 四六判 並製 230ページ
- ISBN978-4-400-22667-3 C0016
- 発行:新教出版社
教皇フランシスコは選出されて以来、親しみやすい語り口と、その実行力によって、多くの人びとを魅了しています。
「カトリック新聞」にも、毎週、教皇フランシスコのお話が載っていない号はないほどです。それほど、人びとのこの教皇に寄せる期待が大きいのです。
本書は3部に分かれています。
第1部は「人生を変えた“春の日”」。この部分だけが、従来の伝記に相当するものです。
ですから、1冊まるごとが新教皇の伝記だとお思いの方は、少し肩すかしを食らった感じがするかもしれません。
ホルヘ・マリオ・ベルゴリオは、1936年、イタリア移民の子どもとして生まれ、アルゼンチンで育ちました。
この「春の日」とは、17歳のベルゴリオ少年がゆるしの秘跡を受けたとき、司祭召命を感じた不思議な体験を指しています。しかし、実際にイエズス会に入会するのは、21歳の時のことでした。
第2部は、「イエズス会出身の枢機卿」です。
第2部の最初は、イグナチオ・デ・ロヨラによって創立されたイエズス会の歴史が紹介されています。カトリック信者であれば、よく知っている歴史ですが、新教出版から出されたために、この部分が必要だったのか、とも思いました。
司祭になったベルゴリオのイエズス会士としての活躍、司教、枢機卿にあげられ、2回のコンクラーベに参加し、3度目に教皇として選ばれるまでを描いています。
第3部は、「新教皇フランシスコの5つの挑戦」と題して、現代カトリック教会が抱えている問題にどのように応え、教会を変革していくか、が期待に満ちて書かれています。
これまでは、新教皇の伝記は、2、3冊すぐに出版されるのですが、本書が最初にだされました。質素な生活態度を変えず、常に、平和と喜び、一致を説く教皇の姿は魅力できです。この教皇様のために、祈らなければならないという思いに駆られます。