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私の薦めるこの一冊
ドイツの使徒 聖ペトロ・カニジオの生涯
- 著者:ホアン・カトレット
- 絵:ホセ・マリア・カトレット
- 訳者:橋 敦子
- 定価:本体900円+税
- 四六判 並製 100ページ
- ISBN978-4-907991-22-7 C3016
- 発行:教友社
本書は、「ドイツの第二の使徒」と言われている聖ペトロ・カニジオ神父の生涯を簡潔に紹介したものです。
ペトロ・カニジオ神父は、1521年、ドイツ国境の近く、現在のオランダのナイメーヘンで生まれました。ケルン大学で勉強中に、誕生したばかりのイエズス会のファーヴル神父との出会いから、イエズス会に入会しました。
1546年、司祭叙階の秘跡を受け、本格的な活動を始めました。
当時のドイツは、プロテスタントが勢力を伸ばしていた時代でした。カニジオ神父の活動も、主に、信徒の信仰をしっかり守り、育てるためのものに、重点がおかれました。
彼の学識は、イエズス会内部はもちろんのこと、彼が関係した大学のみならず、バチカンから歴代教皇が彼に助けを求めていました。
その中で、特筆すべきは、1人の枢機卿の補佐役として、トリエント公会議の出席者たちや神学面での助けとなりました。
ペトロ・カニジオ神父の霊性について、前教皇のベネディクト16世が次のように述べています。彼の「霊性の特徴は、『イエスとの親密さ』である」。さらに続けて「その温和さと、愛情と、忍耐深さをもって。ドイツにおけるカトリックの刷新をやり遂げることができた」と絶賛なさっています。
多くの著作も残していますが、その中でも一番有名なものは、「小教理問答」です。
第二バチカン公会議のあとで、あまり姿を見かけなくなりましたが、『公教要理』というハンディな本があり、多くの方々はそれを使ってカトリックのことを学ばれたのではないでしょうか。この『公教要理』の原本となった「小教理問答」を著作したのがカニジオ神父でした。
1597年12月21日、76歳の生涯を閉じました。
16世紀のカトリック教会の刷新に貢献した第一人者と言われるこの神父の生涯は、当時の困難な社会情勢の中にあっても、非常に魅力を感じます。