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私の薦めるこの一冊
高山右近 キリシタン大名への新視点
- 編者:中西裕樹
- 定価:本体3,500円+税
- A5版 並製 322ページ
- ISBN978-4-86366-926-0 C3021
- 発行:宮帯出版社
ユスト高山右近が、キリシタン迫害の時代にあって、領土を追われ、城を出、数々の苦難の道をたどりながらも、立派に信仰をまっとうしたという、聖なる高山右近を描いた多くの書籍が出されています。
しかし、戦国時代に生きた大名として、どんなに優れた人物であったか、政治的にも経済的にも非常に優れた才能の持ち主であったことが、あまり研究されていないのは残念だということから、本書は、編者と他の10人の研究者がそれぞれの研究分野から、高山右近を新視点で描き出したものです。
まず、1章には、高山右近を取り巻く、武家の権力について書かれ、第2章では、右近とキリシタン大名との関係を述べています。
第3章では、高山右近の遺跡調査の結果から4人の方の報告。第4章は、文化的な側面として、右近の茶の湯について書かれています。
本文の研究の貴重なことは言うまでもありませんが、本書の巻頭と巻末に付けられている遺跡や遺品などの写真は、文章とともに、その理解を助けてくれるでしょう。
さらに、付録として付けられている右近の年譜と人物略伝、資料の所在説明も、高山右近の列福にちなんで、自分も廻ってみたいとお望みの方には、非常に役立つものです。
ぜひ、多くの皆様に読んでいただきたいものです。