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私の薦めるこの一冊
使徒的勧告 喜びに喜べ 現代世界における聖性
- 著者:教皇フランシスコ
- 定価:本体900円+税
- 四六判 上製 144ページ
- ISBN978-4-87750-213-3 C0016
- 発行:カトリック中央協議会事務局
教皇フランシスコの第3番目に当たるこの使徒的勧告は、2018年3月19日・聖ヨセフの祭日に公布されました。
教皇フランシスコが、教皇に着座してから、その発言や講話は、一般紙にもよく掲載されています。彼のお話は、わかりやすく、多くの人を引き付けてやみません。
本書は、サブタイトルに「現代世界における聖性」とあるように、今、生きている私たち・キリストを信じる人々が、みな聖性に達するように招かれていると教皇はおっしゃいます。
多くの人々は、神父様やシスターたちでないと、聖人になれないと思い込んでいますが、それは間違いです。神は、私たち一人ひとりを、違う人間としてお造りになりました。
ですから、私たち一人ひとりが招かれている聖性は、一人ひとり、ユニークなものです。一人ひとり、違うものなのです。そして、私たちが聖性の道を歩み、聖人になることは私たち一人ひとりの使命なのです。神は、私たちが聖人になってほしいと望んで待っておられます。
本書には、私たちが聖性に達するためには、どう生きなければならないかのヒントにあふれています。
16項を見てみましょう。
主があなたを招いているこの聖性は、小さな行動を通して成長します。たとえば――ある女性が買い物中に近所の人と会い話し出して、陰口になったとします。でもその人は心の中でいいます。『いけない。人のことを悪くいわないようにしないと』。これが聖性の一歩です。今度は家で子どもが、空想の話を聞いてほしがると、とても疲れてはいたものの、傍らに座ってじっと優しく話を聞いてあげます。これもまた聖性がもたらすもう一つのものです。
おもしろいでしょ? また、次のようにもおっしゃっています。「あなたの人生のすべてを使命として受け止めなければなりません」、と。それぞれの人が、自分の人生を用いて、神が世に伝えたいと望んでおられることを――つまり、イエスというメッセージを伝える必要があるのです。
聖性の狡猾な敵として。現代のグノーシス主義とペラギウス主義が取り上げられています。
その逆に、今日の世界における聖性のしるしとして、教皇がとりあげておられるものは、「辛抱、今期、柔和、喜び、ユーモアのセンス、大胆さ、熱意」などです。これらが、絶えざる祈りのうちに、教会共同体の中で輝くのです。
マタイ福音の5章にある真福八端が特に取り上げられて、説明されています。
どのページを読んでも、聖性について大変興味あふれる内容で、希望に満ちています。
マタイ5章の中にあるイエスのみことば「喜びに喜べ」が本書のタイトルになっていることもうなずけます。
あなたの、座右の書として生かしては、いかがでしょうか。