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教会カレンダー

主の降誕(夜半のミサ)

第1朗読 イザヤ書 9章1~3、5~6節

第2朗読 テトスへの手紙 2章11~14節

福音朗読 ルカによる福音書 2章1~14節

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主の降誕のミサは、ローマ古来の伝統に従い、夜半、早朝日中の三つのミサをささげることができます。

イブのミサと言われる夜半のミサを、ご一緒に見ていきましょう。

 ・闇の中を歩む民は、大いなる光を見(第1朗読)
 ・すべての人々に救いをもたらす神の恵みが現れました(第2朗読)
 ・今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった(福音書)

キリスト(メシア、救い主)が実際にはいつ誕生したかは、明らかではありません。イエスの誕生について書かれている新約聖書のマタイ、ルカ福音書には、ヘロデ大王の時に生まれたと書かれています。すると、紀元前4年より前ということになります。

イエスが誕生した地は、エルサレムから南に8キロメートルほど行ったベツレヘムという所です。ベツレヘムとは、「パンの家」という意味です。
このベツレヘムは、いつも緊張の状態にあります。

クリスマスともなると、この地に世界各地からの巡礼者が訪れます。世界の巡礼者が訪れるキリストの誕生の地パレスチナに、平和が訪れるために今年も祈りたいと思います。
 また、私たちは、イラク、アフガニスタンをはじめ紛争の中にある国々にも心が向かわないはずはありません。
 特に今年は今までにないほどの危機の中で、どれほど多くの人々が職を失い、住まいを負われ、毎日の食事にも恵まれない中におかれていることでしょうか。

今日、世界中が祝う幼子イエス・キリストは、インマヌエル、平和の君です。

天使たちとともに、「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ」と歌いたいものです。

真の平和のために祈るクリスマス、世界中で平和を喜べる日を渇望するクリスマスとなりますように、今年も祈ってまいりましょう。

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第1朗読は、イザヤ書9章からです。イザヤ書のおさな子の誕生(正確には新王の即位のようですが)の預言からとられています。

混乱の時代に生きた偉大な預言者イザヤ。紀元前730年、北イスラエルは台頭してきたアッシリア帝国に屈服し、ガリラヤ地方はその属国となっていました。南ユダも王の悪い政治により人々は苦しんでいました。

政治的にも、宗教的にも、乱れきった、疲れ切ったイスラエルの民を前に、嘆きながらも、神が約束されたことを忘れることなく、心を改めて神にのみ信頼すること、神の国の実現を預言します。

預言者イザヤは、アッシリアの属州となった、暗黒の地となったところから、この闇の中から、いずれ地の果てにまで及ぶ神の偉大な光が……、と預言します。

闇の中を歩む民は、大いなる光を見、死の陰の地に住む者の上に、光が輝いた。
あなたは深い喜びと 大きな楽しみをお与えになり 人々は御前に喜び祝った。

ひとりのみどりごがわたしたちのために生まれた。
ひとりの男の子がわたしたちに与えられた。……
その名は、「驚くべき指導者、力ある神 永遠の父、平和の君」と唱えられる。

こういって新しい王の誕生を喜ぶ歌を歌います。今日、この約束がイエスにおいて実現したのです。「遠く地の果てまで、すべてのものが神の救いを見た」と歌う答唱詩編を声高らかに歌いましょう。

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第2朗読は、パウロのテトスへの手紙からです。
 主の臨場、主の恵みの深さを歌った賛美歌です。

「すべての人々に救いをもたらす神の恵みが現れました」。「人々に救いをもたらす神の恵みが現れ」とは、なによりも、だれよりもキリストです。

パウロは、クレタの教会の指導者として残してきた「信仰を共にするまことの子」と呼ぶテトスに、イエス・キリストが何をもたらしてくれたかを説いています。

パウロは、今こそ神のいつくしみと支えのうちに生きていくという確信と喜びに満たされて、その恵みに生きるようにと教えます。

「すべての人々に救いをもたらす神の恵みが現れました」と繰り返していると、深奥から喜びがあふれ出てきませんか。ゆっくりととどまりながら、味わいかみしめたいみ言葉です。

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イエス・キリストの誕生については、マタイとルカが伝えています。イブのミサで読まれるのは、ルカ福音書です。
 今夜の福音は(1)1~7節、(2)8~14節と2部に分かれています。(1)ではイエスの誕生のいきさつが、(2)ではイエスの誕生の意味が書かれています。

長い間、キリスト誕生の幾世紀も前から、今日という日は人々から待ち望まれていました。しかし、キリストが誕生したその日、ほとんどのユダヤの人々は救い主の誕生に気がついていませんでした。

この日、キリストの誕生を喜んだのはだれだったのでしょうか。

それは、キリストの母 聖母マリア、養父 聖ヨセフ、そして名もない羊飼いたちでした。イエス・キリストは、この世界の片隅で、ごくわずかな人々に見守られながら誕生したのです。この事実は、何の変哲もないひとつの家庭、しかも貧しいひとつの家庭の出来事のようです。

洗礼者ヨハネは、キリストの証しを自分の発意で行うのではなく、父なる神から遣わされ、キリストがイスラエルに現れるように、証しします。洗礼者ヨハネもキリストと同様、いのちをかけて真理を証しします。

ここに神の奥深さが現れています。神は弱く、貧しい姿でこの世界に入ってこられたのです。

今日の朗読に繰り返されている「光、現れる、栄光、照らす……」という言葉には、1人の男の子の誕生という出来事の本当の意味があります。

栄光が現れ、光が照らす。そのことに対しての人々の反応は「見る」という言葉で表現されています。

人々は一体何を見るのでしょうか。何を見ているのでしょうか。

福音書では、「布にくるまって飼い葉桶(かいばおけ)の中に寝ている乳飲み子」の姿を見つけるとあります。

ローマ帝国の片隅、貧しい旅先、しかも馬小屋での出産、ただそれだけと読みとる、見ることもできます。

夜どおし働き、厳しい生活を送っている羊飼いに、喜びの知らせが届きます。「あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。」と。

イエスの誕生の意味は、聞いて、信じて訪ねあてる時に、私たちもあかされてきます。人間社会に居場所が見つけられずに飼い葉桶に寝かされた幼子を今日も訪ねたいものです。その時、一人ひとりの中に“今日”もお生まれになります。

幼子を見る、信仰の目が求められます。
 幼子に神ご自身の栄光の現れを見て、たたえる、それがキリスト者のクリスマスの祝い方でしょうか。

祈り

聖なる父よ、
  あなたはこの神聖な夜を、まことの光キリストによって照らしてくださいました。
  やみに輝く光を見たわたしたちが、
  その喜びを永遠に歌うことができますように。
                    集会祈願より

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第1朗読 イザヤ書 9章1~3、5~6節

闇の中を歩む民は、大いなる光を見
死の陰の地に住む者の上に、光が輝いた。

あなたは深い喜びと
大きな楽しみをお与えになり
人々は御前に喜び祝った。刈り入れの時を祝うように
戦利品を分け合って楽しむように。

彼らの負う軛、肩を打つ杖、虐げる者の鞭を
あなたはミディアンの日のように
折ってくださった。

ひとりのみどりごがわたしたちのために生まれた。
ひとりの男の子がわたしたちに与えられた。
権威が彼の肩にある。その名は、「驚くべき指導者、力ある神
永遠の父、平和の君」と唱えられる。

ダビデの王座とその王国に権威は増し
平和は絶えることがない。王国は正義と恵みの業によって
今もそしてとこしえに、立てられ支えられる。
万軍の主の熱意がこれを成し遂げる。

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第2朗読 テトスへの手紙 2章11~14節

実に、すべての人々に救いをもたらす神の恵みが現れました。

その恵みは、わたしたちが不信心と現世的な欲望を捨てて、
この世で、思慮深く、正しく、信心深く生活するように教え、

また、祝福に満ちた希望、すなわち偉大なる神であり、
わたしたちの救い主であるイエス・キリストの栄光の現れを
待ち望むように教えています。

キリストがわたしたちのために御自身を献げられたのは、
わたしたちをあらゆる不法から贖い出し、
良い行いに熱心な民を御自分のものとして清めるためだったのです。

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福音朗読 ルカによる福音書 2章1~14節

そのころ、皇帝アウグストゥスから全領土の住民に、登録をせよとの勅令が出た。
これは、キリニウスがシリア州の総督であったときに行われた最初の住民登録である。
人々は皆、登録するためにおのおの自分の町へ旅立った。

ヨセフもダビデの家に属し、その血筋であったので、
ガリラヤの町ナザレから、ユダヤのベツレヘムというダビデの町へ上って行った。
身ごもっていた、いいなずけのマリアと一緒に登録するためである。

ところが、彼らがベツレヘムにいるうちに、マリアは月が満ちて、
初めての子を産み、布にくるんで飼い葉桶に寝かせた。
宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである。

その地方で羊飼いたちが野宿をしながら、夜通し羊の群れの番をしていた。
すると、主の天使が近づき、主の栄光が周りを照らしたので、彼らは非常に恐れた。

天使は言った。
「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。
今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。
この方こそ主メシアである。

あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。
これがあなたがたへのしるしである。」

すると、突然、この天使に天の大軍が加わり、神を賛美して言った。
「いと高きところには栄光、神にあれ、
地には平和、御心に適う人にあれ。」

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