聖人カレンダー
8月16日 聖ロクス
1350年ごろ-1378年ごろ
ロクスは、生涯についてははっきりしていないが、言い伝えによると次のとおりである。
ロクスは、フランスのモンペリエの総督の息子として生まれ、20歳のころ両親を亡くし、その財産をすべて貧しい人びとに与え、ローマに巡礼に出た。このころ、イタリアでは国中にペストが流行し、多くの人びとが治る術もなく苦しんでいた。ロクスは患者の看護に尽くした。彼が、患者の上に十字架の印をすると、多くの人びとが治ったといわれる。しかし、彼自身もペストにかかってしまった。ピアチェンツァの近くの森で死を迎えようとしたところ、犬が食物を持ってきたり、傷をなめたりしてくれたので、病気が治ったと伝えられる。その後故郷に戻ったが、当時フランスは戦争で分裂していたために誰もロクスとは分からず、スパイとして捕えられ獄死したという。
中世においてロクスは、伝染病よけの保護の聖人として、最も有名な聖人であった。彼の絵は犬といっしょに描かれている。