聖人カレンダー
11月22日 聖チェチリアおとめ殉教者
2-3世紀ごろ
セシリアは、ローマの裕福な貴族の家に生まれた。父の意志により、信者でない青年バレリアノと結婚したが、彼女は、神のために生涯貞潔を守ることを彼に話した。彼女の熱心な信仰態度に心を打たれたバレリアノは、弟ティブルツィオとももに洗礼を受けた。そして彼らは迫害されて殉教した人びとの遺体を引き取り、手厚く葬った。このことがローマ総督の耳に入り、バレリアノと弟は捕えられ、信仰を捨てるように命じられたが拒んだため、2人は斬首の刑を受けた。
セシリアは、彼らの遺体を引き取り埋葬した。その後、自分の家をカタコンブ(地下墓地)にしたり、聖堂(のちに聖セシリア教会と呼ばれる)にしたことが総督に知られ、捕えられ、棄教するように強要された。彼女がむし風呂の刑にあっても、苦痛もなく、汗ひとつかかなかったので、最後は首を切りつけられて、3日間の苦しみののち殉教した。
信者たちはセシリアの遺体をカタコンブに葬った。1599年に、腐敗していない彼女の遺体が発見されたといわれている。その姿をもとに、彼女の墓の上には、当時の有名な彫刻家によって造られた像が置かれている。
彼女は、「心のうちで神に音楽を奏でていた」といわれる伝承があることから、音楽家の保護の聖人として人びとから親しまれている。