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第7回 神の啓示の伝達 –(2)


「神の啓示」は、「聖書」と「聖伝」によって私たちに伝えられてきました。この「聖伝」と「聖書」は、どんな関係をもっているのでしょうか。


2 聖伝と聖書との関係

共通の源泉……

「聖伝」も「聖書」も、世の終わりまであなた方と共にいる、と約束された「キリストの神秘を、教会の中に現存させ、実らせるものである」と、80項は述べています。 このように、「聖伝」も「聖書」も同じキリストを源泉とし、同じ目的をもっているものですから、密接な関係があり、共に私たちが重んじなければならないものです。


伝達の二つの異なる方法

聖書は、神の霊感によって書き記された神のことばです。「聖書」の説明は別の機会に詳しくすることにして、今は簡単に、これだけにしておきましょう。これに対して、聖伝は、イエス・キリストと聖霊から、使徒たちに託された神のことばが、使徒の後継者たちの説教や種々の制度によって、正しく教会のうちに伝えられていく神の啓示です。

啓示を伝えていく使命を受けている教会は、啓示の伝達と解釈を「聖書」と「聖伝」によって行います。聖書だけによるのでもなく、聖伝だけによるのでもなく、どちらも重んじて伝え、解釈していくのです。ですから、私たちは、「聖書」と「聖伝」のどちらにも敬意を払わなければならないのです。


使徒伝承と教会伝承

「大伝承」という言葉や、「諸伝承」という言葉をお聞きになったことがあるかもしれません。「大伝承」とは、これまでお話してきた「聖伝」のことを指しています。「諸伝承」とは、時を経るにしたがって、地方教会で生まれた神学上、典礼上、信心に関するものなどの伝承のことを言っています。

この各地の教会で生まれる諸伝承については、教会の教導権をもつ指導者が、「聖伝」に照らし合わせて、受け入れたり、修正したり、放棄したりするのです。


3 ゆだねられた信仰の遺産についての解釈

信仰の遺産は、聖書と聖伝の中に含まれており、それは、使徒たちから教会全体に託された大切なものです。

教会全体に託されているとはいうものの、それらを解釈する権威をもっているのは、ペトロの後継者であるローマ教皇と全世界の司教たちです。これらの人々は、キリストの名で、権威を行使する教導権を委ねられている人々です。権威を行使するといっても、一般社会の権威者のようではなく、この人々は、神の言葉に奉仕するので、神の言葉を謙虚に聞き、清く保存し、忠実に説明する務めを負っているのです。


信ずべき教義

教会の教導権をもつ指導者が、教義を宣言する場合には、キリストから受け継いだ権限を最高度に行使することになります。こうして宣言された教義は、私たちの信仰のともしびとなり、私たちの歩く道を照らしてくれるものとなります。新たに宣言された教義は、他の教義と矛盾したり、それに反することはなく、キリストの神秘の啓示全体と深くかかわっているものなのです。


超自然的な信仰の感覚

私たちすべての信者は、啓示されたキリストの神秘を理解することとそれを伝えていくことに、深くかかわっています。それは、私たちが、聖霊を受けているからなのです。 この真理の霊によって、すべての信者は、伝えられた信仰を固く守り、その信仰をいっそう深く掘り下げ、生活のうちに具体的に現していくのです。


信仰の理解力の増大

ゆだねられた信仰の遺産をより深く理解し、教会生活の中で発展させるためには、以下のことを行うことによって可能です。
  1.私たち信者が行う黙想と研究、特に、啓示された真理についての神学的探求によって
  2.私たち信者が体験する霊的な実在についての深い理解と、神の言葉を読んで成長する
         ことによって。
  3.真理の確かなカリスマを受けた人たちの説教によって。

ここで、96~100まで、5項の「要約」があります。この「要約」をしっかり、頭に入れましょう。

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