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第44回 一、聖、普遍、使徒継承の教会


第3節 一、聖、普遍、使徒継承の教会


よくカトリック教会の特徴は、「一、聖、公、使徒伝承」と言われますので、お聞きになったことがあると思います。今回から、いよいよ、その説明に入ることにいたしましょう。

教会の特徴であり、使命の特徴を表すこの「一、聖、公(普遍)、使徒継承(使徒伝承)」ということは、キリストが聖霊を送って、教会をそのような特徴をもつものとされたことによっています。これらの特徴は、教会の歴史を通じて現れています。


1 教会は一つである

「教会の一致の聖なる神秘」

教会が「一」であるということについて、これまでもいろいろな表現で説明されてきました。

   教会の源から考えた時……教会の源は、三位一体であられる唯一の神の単一性にあります。
   創立者の側面から考えると……受肉されたイエス・キリストは、その十字架と復活によって、
                 すべての人を神に和解させ、すべての人の一致を実現された方です。
   教会の魂を考えた時……教会である神の民の交わりを実現し、すべての人をキリストにおい
                 て固く結び合わせる教会の魂・聖霊をもっています。

ですから、教会が「一」であるということは、教会の本質に属することと言えましょう。しかし、「一」とはいえ、教会には最初から多様性がありました。それは、神の恵みは多種多様であり、それを受け取る人々も多数だからです。多様性がありながらも、教会は「一致のきずな」を保っています。そのきずなとは愛に他なりません。

教会には、目に見える共通のきずなもあります。それは、以下の3つです。

  ・使徒伝来の唯一の信仰宣言
  ・神への礼拝、とくに秘跡
  ・叙階の秘跡による使徒継承


損なわれた一致

しかし、残念なことに、教会の初代から、この一致を損なう分裂が起こりました。使徒たち、また、その後継者たちは分裂に対して激しく非難しました。教会はキリストの体を形作っていますが、その一致を損なう決裂は、人間の罪によって引き起こされるものです。この決裂は、異端、背教、離教によって起こされたものです。

決裂によって、同じキリストを信じる兄弟たちが、別の教会組織に属するようになりましたが、カトリック教会は、常に彼らを尊敬し、一致の道への努力を続けています。


一致に向かって

キリストは、ご自分の教会に、常に一致の恵みを与えてくださっています。教会も。キリストが望んでおられる一致を保ち、強化し、完全なものにするために、たえず祈り、努力を続ける必要があります。

キリストはご自分の生命を神のもとに返される直前、最後の晩餐の席で、この一致を、御父に祈り求められました。特に、ヨハネ福音書の17章21節を読んでください。すべてのキリスト者の一致を回復するようにとの願いは、キリストのたまもの、聖霊からの呼びかけです。

この霊の呼びかけにふさわしく応えるには、次のことが必要です。

  ・自分の召命に忠実に答えようとする教会の不断の刷新
  ・心からの回心
  ・共同の祈り
  ・兄弟的相互理解
  ・教会一致についての教育
  ・神学者の間の対話
  ・キリスト者間の協力

キリスト者の一致を回復する努力を、カトリックの教会の司祭も信徒も一致して行わなければなりませんが、これは、人間の力だけでできることではありません。ですから、私たちはこのために、御父と御子と聖霊に信頼し、祈る必要があるのです。

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