home>キリスト教入門>カテキズムを読もう>第2編 キリスト教の神秘を祝う>第2部>第99回 ゆるしの秘跡の効果

カテキズムを読もう

バックナンバー

第99回 ゆるしの秘跡の効果

 
9 ゆるしの秘跡の効果
 

ゆるしの秘跡がどんな恵みをもたらすものかについては、これまで、しばしばお話してきましたが、ゆるしの秘跡の目的であり、効果は、まず第一が神との和解であり、第二は、教会との和解です。

大罪を犯すことによって、神との関係が断ち切られていた状態から、神の子としてのいのちを取り戻させ、神との愛の交わりに再び生きるようにさせるのです。ですから、ゆるしの秘跡を受けることによって、その人は「霊的に復活」するのです。

罪の及ぼす影響のもう1つの面は、神の子同士である兄弟としての交わりを傷つけたり、壊したりする、ということがあります。

ゆるしの秘跡は、この兄弟としての交わりを取り戻させてくれます。これは、とりもなおさず、この秘跡を受ける人をいやすだけでなく、その人が罪を犯すことによって傷つけた教会のいのちを取り戻させるという効果もあります。これが、教会と和解するということです。

ゆるしの秘跡を受けることによって、私たちは、何らかの形で、この世の終わりに受ける裁きを前もって受けています。実際、今、私たちは、この世で生活しながら、意識する、しないにかかわらず、神の道を選ぶか、神に背く道を選ぶかという選択をしながら生活しているのです。

この選択を正しく行うように努めながら、悔い改めとキリストへの信仰によって、回心した罪びとは、裁かれることなく、死からいのちに移るのです。

 
10 免償

ゆるしの秘跡に深いかかわりあるものとして、免償があります。免償とは、すでにゆるされた罪に対する、有限の罰の神のみ前におけるゆるしを言います。免償には、部分免償と全免償と言われるものがあります。これは、有限の罰からの解放が部分的であるか、全面的であるかによるものです。

 

罪の結果として生じる苦しみ(罪の罰)---

罪は、2つの結果を人間に及ぼします。大罪は、神との交わりを断ち、その結果、永遠のいのちを受けることを不可能にします。この状態は「永遠の苦しみ(罰)」と呼ばれます。

小罪など、すべての罪は、被造物へのよこしまな愛着からきています。人は、この愛着から、この世で、あるいは死後、清められなければなりません。死後の清めの状態は、「煉獄」と呼ばれています。この罰は、罪の本質から生じるもので、神が与えるものではありません。私たちは、愛の実践、慈善のわざ、さまざまな償いの実行によって、清めのわざを果たすように努める必要があります。

 

聖徒の交わりの中で---

私たちが自分の罪を清め、聖となることを望んでも、自分ひとりでその努力をしているのではありません。天の国に帰った人々、清めのために煉獄にいる人々、この世での旅路を歩いている私たちは、それぞれ相互に交わり、助け合っています。これを「聖徒の交わり」と言っていますが、この交わりには、愛の絆とあらゆる善の豊かな分かち合いが存在しています。

この交わりの中で、罪を悔い改め、後悔した人は、罪の結果から生じた苦しみから、回復することができるのです。聖徒の交わりのこのような善は「教会の宝」とも呼ばれています。

「教会の宝」の中には、聖マリアや聖人たちが、神のみ前でささげる祈りや善行があります。彼らは、イエスのみ跡に従いながら、自分の救いと、神秘体として結ばれている人々の救いのためにも寄与しているのです。

 

教会を通して神からの免償を得る---

免償は、教会を通して与えられるものです。教会は、キリストから与えられた「解く、つなぐ」の権能によって、キリスト者との仲介者として、キリストや聖マリア、聖人たちの功徳の宝庫を開き、罰のゆるしをいただけるようにするのです。

清めの状態にある死者も、同じ聖徒の交わりにあるのですから、彼らのために私たちが、代わって、死者のために免償を得ることができます。

前へ 

▲ページのトップへ