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第103回 この秘跡を受ける者、授ける者
2 この秘跡を受ける者、授ける者
重病の場合---
病者の塗油の秘跡は、危篤状態に陥った人だけが授けられるものではありません。ですから、信者の方々は次のような場合、病者の塗油の秘跡を受けるように勧められています。
① 病気や老齢のため、死の危険にある場合
② 病者の塗油の秘跡を受けた人が、小康を得た後で、再び重体に陥った場合
③ 同じ病気が長引いて、容態がいっそう悪化した場合
④ 危険な手術を受ける前
⑤ 衰弱が進んだ高齢者は、危険な状態でなくとも受けることができます。
⑥ 子どもであっても、この秘跡によって力づけられるまでの物心がついているなら、受けることができます。
「教会の長老を招いて……」---
この秘跡を授けることができるのは、司教と司祭です。
司祭や司牧に携わる人々は、病気の人に、この秘跡がいかに大切なものであるかを教える義務を負っています。さらに、病気の人の側にいる人や関係者は、この秘跡を受けるために、司祭を呼ぶように病人に勧めなければなりません。
病人自身は、司牧者と教会共同体に助けられながらも、この秘跡を受ける準備をする必要があります。
教会共同体は、祈りと思いやりをもって、病人に特別、心をかける必要があります。
3 病者の塗油の秘跡の式次第
では、これから式次第の主な部分を見てまいりましょう。
回心の祈り。
ことばの典礼(聖書朗読)。
朗読された神の言葉は、病人と参列している人々の信仰を目覚めさせ、キリストに聖霊の力を求めるように促すものです。
司祭は、沈黙のまま病人の頭の上に按手します。
教会の信仰に基づき、病人のために祈ります------これは、この秘跡特有の聖霊の働きを願って祈ります。
次いで司祭は、司教が聖木曜日に祝別した聖なる香油で、病者の額と両手に塗油します。
その後、聖体拝領ができる状態の方の場合、聖体が授けられます。
結びの祈りと祝福。
しかし、中心部分は、以下の4つです。
① 按手
② 信仰の祈り(連願)
③ 香油の祝福、または祝福された油について感謝する祈り
④ 塗油
病者の塗油の秘跡も、他の秘跡と同様に、共同体的な典礼祭儀です。
この秘跡は、授けられる場所が病院であっても、家庭であっても、聖堂であっても、変わりがありません。また、この秘跡を受ける人が1人であっても、大勢の病人であっても、変わりがありません。
この秘跡が、この世から御父のもとに帰られるキリストの過越の記念であるミサ(感謝の祭儀)の中で行われることは、意味深いことです。ですから、司祭は、病者の塗油の秘跡の前に、「ゆるしの秘跡」「聖体の秘跡」を授けることができます。
では、次回はこの秘跡がもたらす効果についてお話いたしましょう。