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第116回 結婚式
2 結婚式
日本のカトリック教会の典礼様式は、ラテン典礼です。ラテン典礼での2人のカトリック信者の結婚式は、ミサの中で行われることになっています。これは、他の秘跡と同様、結婚の秘跡もキリストの過越の神秘と関連しているからです。
聖体祭儀では、新しい契約の記念が行われます。キリストは、愛する花嫁である教会に、ご自分を余すことなくささげることによって、教会と永遠にその契約を結ばれたのです。ですから、新郎新婦が自分たちの生活を奉献して、相互に自分たちを与え合うという同意を、ミサの中で行われるキリストの自己奉献に一致させ、聖体を拝領するということは、非常にふさわしいことなのです。こうして、2人は、キリストから同じ血とからだをいただき、キリストにおいて「ただ一つのからだ」となるのです。
結婚式は、「聖化の秘跡」と言われます。ですから、結婚する2人が、結婚式の前に「ゆるしの秘跡」を受け、式に備えることはふさわしいことです。
ラテン教会の典礼の伝統では、結婚の秘跡の役務者は、当事者である新郎新婦です。ですから、2人がミサの中で、神のみ前で、それぞれの同意を言い表すことにより、お互いが秘跡を授け合うのです。
一方、東方典礼の伝統によれば、司教や司祭が、新郎新婦の相互の同意表明の証人となります。そして、その結婚の秘跡が有効であるためには、その立ち会った司教や司祭の祝福が必要だとされています。
結婚式のさまざまな典礼様式には、豊かな祝福の祈りや聖霊の働きを願う祈りがあります。それらは、これから新しい生活に入る新郎新婦の上に、神の恵みと祝福を願うものです。しかし、それらはとくに新婦のために恵みを求めています。
この聖霊の働きを願う祈りは、「エピクレシス」と呼ばれています。結婚の秘跡におけるエピクレシスにおいて、新郎新婦は聖霊を受けるのです。聖霊は、キリストと教会との愛の交わりです。この聖霊こそ、2人の結婚の契約に刻印を印し、今後の生活における2人の愛の尽きない泉となり、2人の忠実を継続させる力を与えるのです。