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第180回 教会のおきて
2 教会のおきて
教会のおきてとは、ミサ聖祭を中心とする典礼を大切にする生活によって養われる倫理生活に深いかかわりがあるものです。教会は、信徒の信仰生活を指導する任務が与えられています。そのために、教会は各時代の状況を考慮して、このおきてを定めています。ですから、時代によって、少しずつ異なっています。
なぜ教会が、このような義務を課すのでしょうか。それは、私たちに、祈りの精神や神様と隣人への愛を成長させるためなのです。しかし、読んでご覧いただくとよく分かるのですが、義務と言っても、必要最小限度の義務だと感じることでしょう。
教会の第1のおきては、「主日と守るべき祭日にミサにあずかり、肉体労働を休むこと」です。このおきてが定められた理由は、主日という主の復活を記念する日と、主と聖母マリア、および聖人たちの神秘を崇敬する典礼上のおもな祝祭日を聖とするように、求めているからです。
私たちキリスト信者が共同体として、主日に教会に集い、ミサ(聖体祭儀)に参加することによって、これらの日を聖とするのです。また、そのために、これらの日を聖とすることを妨げる仕事や活動を休むのです。
教会の第2のおきては、「少なくとも1年に1度は罪を告白すること」です。「ゆるしの秘跡」は、回心の業と洗礼による救いの業を、私たちの内に、継続させてくれるものです。その上、この秘跡は、エウカリスチアへの準備をさせてくれるものです。
教会の第3のおきては、「少なくとも復活節の間にエウカリスチア(聖体)の秘跡を受けること」です。キリスト教信仰の起源であり、中心である復活節の間に、拝領することは、非常に意味深いことです。教会がこれを定めてくださったことは、非常に、意味深いものです。
教会の第4のおきては、「教会が定めた、大斎・小斎の日を守ること」です。
大斎は、灰の水曜日と聖金曜日にイエス・キリストの受難を思い、感謝と礼拝の心で、犠牲をささげるのです。
小斎は、金曜日ごとに、肉食をさけることです。しかし、これは、愛の業や、節制などによっても替えることができるものです。
このおきてを守ることによって、自制心を養い、心の自由を得ることができます。
教会の第5のおきては、「教会の維持費を負担すること」です。教会の維持費とは、教会の建物の維持管理、司祭の養成と扶助、その他、教会が行う宣教活動の諸費用にあてられるものです。
教会のおきては、1948年までは、「教会の6つのおきて」と言われていましたが、1972年に改訂され、「教会の5つのおきて」と言われるようになりました。これは、教会のおきてがひとつ減ったのではなく、第4のおきてが、大斎と小斎に2つに分かれていたためです。