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第189回 「心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、
            あなたの神である主を愛しなさい。」


第1章 「心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、
          あなたの神である主を愛しなさい。」



第1章のタイトルに選ばれているみことばは、イエス・キリストが神に対する私たち人間の義務を要約してくださったことばです。マタイ22・37に書かれています。このことばは、「シェーマ・イスラエル」と言われる有名な旧約聖書の申命記のことばに呼応しているものです。その「シェーマ・イスラエル」とは、「聞け、イスラエルよ、我らの神、主は唯一の主である」ということばを指しています。

イエスの時代、ユダヤ教を信じている人たちは、会堂での礼拝の際に、まず全員でこのことばを唱えていました。唱えるだけではなく、このことばを書いた羊皮紙を小箱に入れて、額と腕に巻き付けて祈っていました。

十戒である「十のことば」の最初には、唯一の神の愛について述べられています。私たち人間が神様を愛するよりも先に、神様が人間である私たちを愛してくださったのですから、これは当然のことと言えるでしょう。


第1項 第1のおきて


1「あなたの神である主を拝み、主に仕えなさい」

旧約聖書の申命記は、神がモーセを通してイスラエルの民に語られたことばを、モーセが死に際して、イスラエルの人々に遺言のように、語ったことばです。ですから、この申命記のことばは、単にイスラエルの人々にだけ宛てられたものではなく、人類に与えてくださったものということができます。

申命記の5章には「私は主、あなたの神、あなたをエジプトの国、奴隷の家から導き出した」、とこのように語りかけ、イスラエルの民の歴史の中で、神が行ってくださった慈しみ深い解放は、神ご自身がしてくださったことなのだ、ということをお知らせになられました。

「第1のことば」には、第1戒が含まれています。
「あなたの神、主をおそれ、主にのみ仕えなさい。他の神々の後に従ってはならない。」

ここからお分かりになるように、神が人間をお招きになって、最初になさる要求は、人間が神を受け入れて、礼拝することなのです。

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